四十三枚目 ページ45
Side:Zen
俺の呼びかけに二人は答えない
「お前、山の獅子の頭領だな」
サカキ殿がそういうと赤茶髪の男がようやく口を開いた
「おっと、顔を知ってる奴がいたか」
「…山の獅子」
頭領の横にいる男が鹿月と一緒にいた仲間だと巳早が言う。確かにサクが描いた人相描きとそっくりだ
「白雪を攫った奴らか」
「は…どういうことだ!?白雪殿を攫ったのは海の鉤爪ではないのか!」
ラジの問いに説明をするのはオビだ
「城からお嬢さんを攫ったのは鹿月とそこにいるイトヤ。山の獅子の仲間です。その後お嬢さんと鹿月をさらに攫った賊が海の鉤爪じゃないかということです」
「わ、わけが分からん!そこの山の獅子!詳しく話せ」
「あんたら役人か」
「タンバルン王子、ラジ・シュナザードだ」
「!!」
名乗るラジに、頭領は知らん顔だ
そればかりか先を急ごうとする
ミツヒデと木々が道を阻んで、それは叶わなかったが
「ラジ殿の共を出来ない理由でも?山の獅子の家業は賊退治と用心棒だと聞いているんだがな。城に侵入した者たちだったとは驚いたな」
サクは山の獅子は白だと言うから信じているが、それと
「何が目的でオビに手を出し、白雪を攫った」
口を開いたのはイトヤという男だ
「あいつは…鹿月はうちに来る前鉤爪の船にいた」
「イトヤ」
「連中にいいように使われた挙句貴族に売られ、飾り道具同然で仕えさせられた。サクの助けがなければ一生そのままだった。あいつは、赤髪に目をつけた何処ぞの王族の勝手で、国を出るしかなくなった白雪と自分を重ねたんだ…!馬鹿の手の届かない場所へ連れてくってな」
言い分は分かったが
「それで?」
「…?」
「それでお前たちを前にして白雪はなんて言ってた?」
「…!」
「どうなんだ?有無を言わさず連れ出したのか」
「手荒な真似をした。俺が詫びる」
頭を下げたのは頭領だった
奴は白雪の味方なのか俺に問う。当たり前だ
なんのためにここまで来たと思っている
「あぁ、助け出す」
「山の獅子は貴族に嫌気が差したやつや、一方的に居場所を奪われたやつ…そういうもんが集まって始めた。おたくらの命令は聞かない。それが売りだ。だが俺たちもあの子らを連れ戻したい…目的を共有するなら手を組もう。それでこの場を納めちゃくれねえか」
利害が一致。そう言うことならそれでいい。交渉は成立だ
おっさんは、鉤爪の息のかかった酒場街へ行くと言った
そこに白雪達がいるだろうと
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
