三十九枚目 ページ41
「ほら、お前もさっさと入れ!!」
『五月蝿いな。言われなくても入る』
押されて、部屋に入れられると乱暴に扉は閉じられる。全く、扱いが雑だ
「サク!!?」
「えっ、
『よかった。二人とも無事か』
鹿月は頬を怪我してるものの、二人とも大怪我を負ったりはしていないようで、ホッと胸を下ろす
『鹿月、僕のブーツの中に小刀仕込んでる。それで縄切って』
「う、うん」
鹿月は僕のブーツに手を入れて、小刀を出す
彼が縄を切ってくれてたので白雪と向き合う
『白雪』
「…サク…わ、私…」
『落ち着いて。大丈夫、僕がいるから』
「…うん。…でも、これ…どういうこと…?」
状況を整理できてないのか、戸惑っている
『城から連れ出した所とか、鹿月と二人になった所、見られてたんだよ。あいつらに。鹿月が狙いだったようだから』
「じゃあつまり、私、二重で攫われたってこと…?」
「…そうなるね」
鹿月の言葉に余計不安になった白雪
あぁもう…言葉選びが下手だな。鹿月は今度、女の子の扱いって奴を学んでもらおう
『白雪、僕が意識を飛ばす前に言ったこと覚えてる?』
「え…?」
『"必ず助けるから。だから待ってて"……僕はね、君を助けるためにあいつらに捕まったんだよ』
「サク…?」
『君を逃がすためになんでもするよ。君は一人じゃない』
白雪を引き寄せて抱きしめる
そうすると少しだけ震えが治まった
「でも、なんでサクがそんな格好…」
『あ、そこ聞いちゃう?』
確かに僕はいつものワンピースにカーディガンじゃなくて、護衛服を身に纏っている
『じゃあ改めて自己紹介しよう』
「？」
不思議がる白雪に、この役職に就いてから覚えた騎士の礼を取る
『私は"クラリネス王国第一王子付き護衛役"を勤めさせていただいており、この度は白雪様を影ながら護衛させていただいておりました、サクでございます』
「え、えぇぇっ!?」
数拍遅れて白雪が驚いて数歩後ずさる
『まあ、無理もないか。ずっと隠してたし。大丈夫?』
「な、なにがなんだか……?でも、私の、護衛…?」
僕はゆっくりと頷く
それだけ分かってくれればそれでいい
難しい事は後だ
『鹿月、動ける?』
「問題ないよ。白雪は?」
「……大丈夫」
白雪はそう言って、ドレスの裾を破く
その部分を結んで動きやすくするために
鹿月はそれで赤くなっていたけど
(白雪は本当に逞しくて、美しいな)
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
