三十六枚目 ページ38
Side:Zen
タンバルン シェナザード城に早馬で駆けて着いた頃は、そろそろ朝焼けという時だった
「クラリネスから参った!ゼン・ウィスタリアだ!」
城門に着き、馬を止めるとラジの側近サカキがいた
「お待ちしておりました、ゼン殿下」
「先に書面で伝えた通りだ。至急、白雪に合わせてもらいたい」
「………それが」
サカキの表情で全てを悟る
もう遅かったのだ。と
ラジと話をするために部屋へと入る
やつの表情も硬い
「通していただいて感謝する。ラジ殿」
「え、え遠路はるばる、そ、粗苦労頂き…きょ恐縮である…」
「白雪の事はサカキ殿に伺った」
「えっ、い、いや…そ、その件だが…」
ラジが何かを言う前に頭を下げる
こちらの注意不足だった。キッチリと離していればよかった、と
「いや…謝るべきは私の方だ。すまぬゼン殿、こちらが呼んだ客人であったのに」
これには正直驚いた
あのバカ王子が頭を下げた上、非を詫びた
「白雪はここでの数日有意義に過ごしていたか?」
「あ、あぁ…そうだな。興味のあるものを見つけて過ごしていたな」
「笑っていた?」
「うむ」
それが聞ければ十分だ
「よかった」
白雪がここで笑っていたのならそれでいい
今はそれだけでいい
早急に動きたいため、オビの部屋に通して欲しいと言った矢先、扉が慌ただしげな侍女によって開かれた
「ラジ様!ラジ様、ご報告がございます」
オビが消えた
つまりは追ったと言うことだ
「それから、サク様もオビ様がいなくなる三十分ほど前に姿を消されて…」
「サクさんもタンバルンに来てたのか…!?」
ミツヒデが動揺する
木々も少なからずと言った所だろう
(二人して追ったか…サクの方が早くに見つけるだろうがその場合どうなるか)
鹿月は害がないとサクは俺にのみ伝えていた。アイツが警戒しているのは、それ以外だと
面倒ごとになる前に見つけ出さなければ
(無事でいてくれよ…!)
ーー
王との謁見も終え、出発すると言う時には太陽はもう顔を出していた
心なし焦りを感じる
「ゼン殿下」
サカキに声をかけられる
手にするのは数枚の紙
「サク様より客人に渡してくれ、と」
「……これは」
髪を高めに一本で結わえた美少年と片目の隠れた男
「あ、これですよ!鹿月っていう奴ともう一人の男の顔!!」
「何!?」
巳早が確定だというのなら、間違い無いのだろう
それに、サクは我が国の宮廷画家だ
その紙の一枚の裏に何かが書いてあった
"必ず助ける。説教は後で"
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
