三十三枚目 ページ35
「お姉さん、子供好きなのかい?」
『ん?あぁ、好きだよ。可愛いし僕達が持ってない物を持ってるから』
「「持ってない物?」」
二人は声を揃える
『…純粋に楽しいと思える心や、泣きたい時に泣けること、甘えられること。僕らが大人になっていくに連れて出来なくなった事を子供達は平然とやってのける』
「そっか…そうかも」
『まあ僕達はそれが出来なくなったから、恋人や家族という形を新たに作るんだと思うよ』
僕の勝手な解釈だけど
「なるほどねぇ」
「そんな事、考えた事なかった。サクってやっぱり大人だなぁ」
白雪は少し頬を染めて感心している。今の何処に照れる要素あったかな
『はいはい、僕はズルイ大人ですよ』
「もう、褒めてるのに」
白雪は拗ねた様に頬を膨らませる
それでも可愛いだけだけど、なら少し大人の扱いをしてあげようか
『では私はここら辺で失礼いたします。白雪様、オビ様』
わざと仰々しくすると二人は笑ってくれて、僕は書庫を出る
『そのまま笑顔で居てくれると…嬉しいな』
泣き顔は見たくないから
ーー
夜会の当日
僕は一足先にドレスに身を包んだ。今回はあの日の夜会のようなドレスではなく、比較的動きやすいハイ＆ロードレス
足が出ていて動きやすいけど露出がな。と思うが背に腹は変えられない
ドレスを着ているのは貴族に紛れて、白雪を見守るためだ。恐らく何かしら動きがあるのは今日のはずだから
(嫌な予感がするんだよな…)
鹿月は取るに足らない相手だ。だけど、そこにアイツらが来たら確実に白雪が危ない
「サク様、クラリネス王国ゼン王子から書状が届いております」
『……何かあったんだね。王子』
突然の知らせに驚愕しつつ、書状を受け取り、中を見る
"鹿月とその仲間がそちらに向かっている。注意せよ"
『これは…』
こうやってくるということは
『鹿月は乗り込んでくる…!!』
こうしてはいられない
早く!早く白雪の元へ──…!!
ーー
『白雪!!』
扉を思い切り開ける。まだ彼女はそこに居た
「えっ、サク!?その格好…」
『そんなことは良い。オビ、ゼン王子から書状が来てるだろ』
「あぁ。けど、なんでお姉さんがそれを知って…」
オビの言葉は続かない
バルコニーに誰かがいる
「……」
『ご登場か』
カーテンで隠されて居た姿が、お目見えする
月夜に照らされた彼は白雪を視界に入れると笑った
「白雪、みっけ!」
「「び、美少年…!?」」
(そこでハモる…?)
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
