二十二枚目 ページ24
Side:Obi
リュウと話してる間に先に行ってしまったお嬢さんを追いかけて、追いつくと視界の端に誰かが走り去って行くのが見えた
お嬢さんも何故か慌てている
「お嬢さん?どうかし「あっ、サクがね…!」…!?」
「あ、オビ!!何処行くの…!?」
サクという言葉を聞いて、彼女が走り去って行ったであろう方向へと走る
あの日から、お姉さんとちゃんと話が出来ないまま数日が過ぎている
初めに告白した時、答えはすぐじゃなくて良いからとは言った。だからこそ、謝りたかった
このまま拗れるのは嫌だ
「っくそ…お姉さん足早すぎ…何処行ったんだか…!」
走っても見当たらない
一度止まって、辺りを見渡すと何かが転がっている
「…?」
拾い上げると、それは俺がお姉さんにあげたバレッタだった
(じゃあ、近くに…)
意識を集中させて気配を探る
分かりにくいけど、少し隠し切れていない気配が一人。息も乱れているから、多分そうだ
やっと捕まえられる
足を忍ばせてゆっくりと進む
建物の間に潜んでいるのは間違いなく彼女だ。取り巻く空気が確信させる
「お姉さんみっけ」
『!!』
暗くて姿がよく見えないけど、動揺したのがわかる
「お姉さん、鬼ごっこと隠れんぼ強い感じ?お陰で苦労したよ」
彼女はなにも言わない
「ね、見つかったんだから、大人しく出て来てよ。取って食うわけじゃないんだし」
試しに手を差し出すと、少しずつこっちに近づいて俺の手を取ってくれた。それを合図に自分へ引き寄せる
『あ…』
けど、月明かりに照らされて出て来たのはいつものお姉さんじゃなかった
「……サク、さん、だよね…?」
『だから今日は会いたくなかったんだよ』
悪態を突く彼女はワンピースとカーディガン、エプロンという標準装備じゃなくて、臙脂色のドレスを身に纏っている
髪もサイドだし、分かりにくいけど化粧もしてるから、いつもより数段大人びてる
「それ、どうしたの…?」
『イザナ殿下の暇つぶし』
「え、あの人の…!?」
なにがなんだかサッパリだ
どうにも兄殿下とサクさんという組み合わせが想像出来ない。でも
『僕には似合わないんだけど、いつも用意されて…』
「綺麗だよ」
『は?何言って…』
「本当に。綺麗だから」
今すぐ連れ去りたいぐらいには
とは言わないけど
『……あっそ』
そっぽを向いた彼女の顔は、赤い
隠してるつもりみたいだけどバレバレだ
(可愛い。触れたいし、キスしたい)
そんな衝動が湧き上がった
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
