一枚目 ページ3
Side:Zen
『やはり僕の目に狂いはなかった。その蜂蜜の瞳がとても美しい…君にピッタリの瞳だ』
「あの…お姉さん?」
「また始まったな…サクの悪い癖」
俺は目の前の起こりつつある状況にため息をつく
『初めてあった時は衝撃を受けたんだ、木から軽やかに飛び降りる君はまるで獲物を狙う鷹のように気高く美しかった…また会えるなんて思っても見なかったな。ねえ、君を描かせてくれないか。僕なら、君を輝かせてあげられる』
「えぇぇ…?」
真顔で並べられる賛美にオビは動揺している
まあ、誰でも初めはあんな感じだ
「ゼン、一応説明しとくか?」
「そうだな。オビ、そのまま聞いとけ」
「んな無茶な」
クラリネス宮廷画家、サク
クラリネス国内で彼女の絵を知らないものはいないと言われるほどの実力を持っている
様々な国の絵を研究し、全てを織り交ぜた彼女の絵は独自の世界を作り上げると評判だ
ただ、サクには一つ欠点がある
それは今目の前で起こっているコレだ
『オビ、動かないで。さっきのまま……いや、この角度も中々…光が君を綺麗に輝かせている』
美しいものを見ると、我を忘れるようにその相手を褒めちぎる
対象は人に限らず、鳥や動物、物にも反応する
「変人…いや、不思議な人っすね」
「オビ、本音隠し切れてないよ」
思わず白雪が突っ込む
まあ、確かに変人で変態だ
『……お騒がせいたしました』
スイッチが切れたのか、サクは静かに深々と頭を下げた
自我を忘れた訳ではないので、終われば彼女は困惑させたことを謝る。本当に変な所で律儀だ
「気にするな、もうサクのそれには慣れた」
『…慣れちゃ駄目だろ』
ああ、そう。あと中々天邪鬼だ
「ホントに変な人だな…」
「けど、それ以上の実力があるからな」
ミツヒデがサクの持っていた紙の束を取って、こちらへ向ける
鉛筆画で線のアラが目立つが、それでもそこにいるのは紛れもなくオビだ
「流石、宮廷画家だね」
『木々に褒められると照れる』
「照れてる顔してませんけどね…!?」
「はー…これが俺ねぇ」
オビは描かれた自分をマジマジと見る
『君を描くのは初めてだから、少し乱雑だけど…描き慣れればもっといいのが出来るよ』
自信に満ち溢れた顔をするサク
彼女の得意分野は人物画だからな
「というかサク、お前、仕事は?」
『今は休憩だよ』
それはサボりと言わずなんと言う？
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
