十三枚目 ページ15
「っい…!たたた…」
『これはまあ盛大に腫れてるね』
劇の舞台裏
けが人が出たとかで僕たちは白雪と共にそっちに向かったのだが、容体は芳しくない
「段差を踏み外したんだ」
座長は心底悔しそうに顔を歪める
女優の人は白雪に痛み止めがないかを聞いていた
まだ出る気のようだ
「…骨が折れてる。無理に動くと長引くよ、お姉さん」
リュウがそう冷静に告げる
情に流されない所は流石だ
「そんな…!」
「くそっ」
「舞台が成功すれば登城が許されて、王子様がたに見初められる予定だったのに…!」
(それはなんとも大きい夢で)
後ろではオビがゼン王子に頭を叩かれていた
イザナ殿下も利益の無い女の子には興味がな…いや語弊があるか?まあいいや
舞台も終盤に近づいていて、どうにもならない状況は最悪と言ってもいいだろう
「白雪さん」
「はい」
作業をするために、白雪はフードを外す
彼女の髪色に女優と座長は息を飲む
(あぁ、嫌な予感)
「あんた、代役を頼めないか」
「えっ…?」
「なっ」
「頼む!姫役で舞台に出てくれ…!」
「え、えぇっ!?」
『あぁ…面倒だ』
「面白いことになってきたねぇ」
『オビ、楽しまない』
僕らの静止も聞かないまま、白雪は着替え場所へと連れて行かれてしまう
彼女も優しい子だから断りにくいのだろうし
見守るしかないかな
「お姉さんもやれば?面白そうだし」
『僕にはあーいうのは似合わないし、人前に出るのも嫌いだ』
「お前らな…少しは止めようとか考えないのか…!!」
「『まったく』」
ゼン王子は気に食わないらしいけれど、白雪の姫姿は見たい
準備ができた白雪はカーテンを開けて歩いてくる
その姿を見たゼン王子は頬を染める
「い、いってきます」
「お、おう…」
なんとなく二人ともぎこちがない
「どうしました主」
「いや、別に…」
オビがニヤニヤとしながらゼン王子にはなしかける
彼は慌ててにやける口を押さえる
『顔が赤い。見惚れてたんだ』
「サク!!」
『恋人の綺麗な姿に見惚れるのは当然のことだろ?恥ずかしがる必要はない』
僕は笑って説明を受けている白雪の方をみる
その少し横で座長が怖いほどに彼女を見つめていた
『……?』
白雪が出る出番になったと思えば、端で男優と座長が話し込んでいる
会話の端々しか聞こえないけれど良くないことを考えているのは分かった
(何かしでかしたら動こうか)
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
