十一枚目 ページ13
王城開放日当日
露店で商売をすること数時間
やっと人が落ち着き始めたので、昼食を取ってくつろいでいると
「なんだ、意外と暇そうだな」
『あれ、出歩いていいわけ?第二王子サマ』
店に顔を出したのは衛兵の格好をしたゼン王子
本当に彼は抜け出すのが大好きだ
「嫌な言い方するなよ。俺だけじゃないぞ」
王子は後ろを見る
確かに今日は大勢だ
「やっほ、お姉さん」
「遊びに来たよ、サク」
『いらっしゃいませ。といっても、もうほとんど何もないんだけどね』
商品を乗せたテーブルにはほぼないも同然だ
開城早々、多くの人が押し寄せて大変だった
「流石人気画家」
『茶化すなミツヒデ。あ、そうだ王子に渡すものが』
「俺に?」
『正確に言うと王子と白雪にねー……っと』
奥の方から大きめのキャンバスを取り出す
これは二人のために描いたもの。昨日やっと出来上がったのだ
『はい、題名"運命の赤い糸"』
「こ、これって…」
「サク…お前ってやつは…」
二人は頬を染めて、視線を惑わす
他の三人はそんな二人を温かい目で見ていた
ゼン王子と白雪が向かい合わせて微笑む絵
二人を繋ぐのは赤い糸。縛るためのものではなく、結ぶための糸
『これは僕の願いでしかないけど……王子、白雪を幸せにね』
「あぁ。まかせろ」
「ぜ、ゼン…!?」
「おお、主言うねえ」
誇らしげに言う王子に僕も微笑み返した
『さてと…今日はもうこれで店じまいかな。追加で絵を描いたらキリがないからね』
完売という立て札を乗せて、テントを出る
この後はのんびりとここら一帯を散歩する気でいる
「あ、じゃあ、一緒に見ていこう」
『僕でよければ』
少し先で催し物がやる様で、ミツヒデ、木々、白雪はそちらへ向かった
「お嬢さん、前に危ない目にでもあったんですか?」
王子の沈黙から何かを感じ取ったオビはそれ以上追求はしなかった
「はぁ…それじゃ隠してても何も言えないですね」
「全くな。アホが居て困る。綺麗なのにな」
『ナチュラルに惚気るなよ。ま、確かに白雪のあの林檎のような艶やかな髪は彼女の白い肌に美しく映えるとは思っているけど』
「お前の方が惚気に聞こえるぞ」
オビは何かを見つけたのか、そちらへ向かった
喧嘩祭りの様な催しごとだ。優勝したら報奨金が貰えるらしい
「サクも出たらどうだ?」
ゼン王子が揶揄うように笑う
『僕は今現在"そういうこと"は出来ませんって言ってるでしょ?緊急時以外は』
「…そうだったな」
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つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
