素描画 ページ2
君と出会ったのは
王城のどこかの庭
記憶力はいい方ではないから
覚えていないけど
木から軽々と飛び降りた君を
純粋に描きたいと
そう思ったんだ
クラリネス王宮内
本日も天気は良好。昼寝日和
場所はいつもの日当たりのいい中庭ではなく、通常入ることのあまりない騎士達の稽古場
カンッ、カッ
木造の剣と剣がぶつかる心地いい音と二人の呼吸音だけが聞こえてくる
あぁ、後は僕が鉛筆を走らせる小さな音かな
(よく動く…)
目の前で稽古をしている二人
我が国 クラリネス王国の第二王子であるゼン・ウィスタリア・クラリネスと彼の側近のミツヒデ・ルーエン
そして、その場で見取り稽古をしている女性は、同じく側近の木々・セイラン
(剣の稽古は普段とは違う表情が見えるから面白いな)
「また描いてるの?」
後ろから声をかけられて、振り向く
綺麗で艶やかな赤髪の女の子。ここの薬剤師見習い兼ゼンの想い人
『白雪。今日は暇なの?』
「うん、今日は非番。それで、よかったら稽古見に来ないかーってゼンが。サクは仕事?」
『仕事のようで遊び。仕事用の絵が行き詰まったから箸休めってところだよ』
そんな話をしていると二人の稽古が終わった
「サク、いたのか」
『お邪魔してたよ』
そのまま白雪と話し始めるゼン王子
春だな…とほのぼの考える
「あーるじっ、戻りましたよーっと」
突然現れたのは軽装をした猫目の黒髪金眼の男。見覚えがあった
そんな彼とバチリと瞳が合う
「あ、この前の」
『…木の上で昼寝してた人か』
「絵描いてた人だ」
「あれ?サクさん、オビのこと知らなかったんですか？」
ミツヒデはそう問う。そうして漸くこの目の前の彼の名前を知る
『オビっていうんだ、君』
「うん。そっちはサクって言うんだ」
「ちなみに俺らの中では最年長だぞ、オビ」
「エッ、それマジですか!?」
さりげなく失礼なことを平気で言ったゼン王子には後で灸を据えるとして
僕はオビという男をじぃっと見つめる
「?どうかしました?俺の顔じーっと見て」
『やっぱり…』
「うん?」
『……美しいね』
…………
「はっ…?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つねさん(プロフ) - 1話目で菱田さん！！！！って叫びました。この作品好きすぎて辛いです涙出てきました応援してます！！！ (2016年7月29日 23時) (
レス) id: 45649277a8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか♪ - おもしろいです！ (2016年5月6日 23時) (レス) id: 16d26bbe18 (このIDを非表示/違反報告)
ノンナ(プロフ) - めいこいですね！わかります！ (2016年3月21日 17時) (レス) id: 62b81bdc65 (このIDを非表示/違反報告)
梛(プロフ) - 凄く面白いです！！主人公ちゃん可愛いですね！これからも楽しみにしています。頑張ってください！ (2016年2月17日 0時) (レス) id: 63f277ad3e (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - 零雨さん» コメントありがとうございます。誤字指定ありがとうございます!確かにおかしかったですね(笑) (2016年2月12日 21時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春月 | 作成日時：2016年1月26日 18時
