【スタミュ】黒崎蘭丸の従兄弟が綾薙に居るⅥ (ページ34)

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頭の痛い話ページ34

「哀葉、平気か?」

『へぇき…じゃないけど…だいじょうぶ』

「どっちだ」

完全に酔っぱらってるな。舌ったらずなの可愛いからいいけど
哀葉をベッドに横たわらせて水を汲みに向かう
去年の記憶を掘り返す限り、そこまで醜態を晒すような酔い方をするような奴じゃないうえに、多分この後寝る
ベッドに戻ると哀葉は不満げな顔でこちらを見ていた

『おそい』

「ちょっと水取りにいっただけなのに?」

『さびしい』

「………」

爆弾投下

本当に、この哀葉心臓に悪い
水の入ったコップをベッドサイドのテーブルにおいて、哀葉のいるベッドの端に腰かける。と、緩い笑顔で腰に抱き着いてくる

『かたい』

「どんな文句だよ」

硬いと言いつつも離れないどころか、ぐりぐりと摺り寄せてくるところが可愛い

『ねむ』

「寝る?」

『ん…』

腰に巻かれた腕をそっと離して枕に頭を乗せる。重くなって開かなくなっている瞼にそっと唇を落として良く眠れるようにおまじない

『…いずみぃ』

哀葉がくっ、と袖を引く
あぁこれは一緒に寝ての合図だな。と苦笑して、ベッドに潜る
俺が隣にくると引っ付いて、そのまま数秒で寝息が聞こえる。本当は薬と水を飲ませたかったけど、起きてからでもいいだろう

「おやすみ」

さて、俺は果たして寝れるだろうか

ー・－・－

哀葉は後悔していた

(最悪だ)

二重の意味で痛む頭を押さえながら、目の前にいる整った顔を見る
彼女の場合、酒が入っても後日記憶が残っているタイプの人間であるため、昨日の醜態は事細かに覚えている
だからこそ、後悔しているのだ

(甘えたがりかっ!昨日の自分!!)

穴があったら入りたい。がまさか自分に降りかかるとは思わなかった哀葉は身悶える

(和泉と付き合ってから甘えたがりみたいな所出てないか…?)

知らなかった自分の性格に、哀葉は戸惑うしかない。が、いつまでもこのまま惰眠を貪るわけにもいかず、そろりとベッドを抜け出す
度数の高いアルコールを摂取した割に頭は正常であることにホッとしつつ、虎石が用意していた水と薬を飲み込み、着替えるためにシャツのボタンを外していく
今日から男としての生活が始まるため、気を引き締めなければいけない

「お前酒入っても早起きはすんだな」

『ぅひゃっ!?』

シャツのボタンをすべて開けたところで、後ろから抱きすくめられて思わず肩が跳ねる

「今日は可愛い反応すんのな」

『っ、脅かすなバカ!』