どう足掻いても運命 ページ7
「えー、というわけで、今年から一年間、お前達と勉学を共にするギルだ。彼は先日エクバターナに着いたばかりだという。皆、仲良くしてやってくれ」
あぁ、頭が痛い
例の転校生、ギル
彼が私の前世の夫のギーヴであることはもう分かった。記憶がないことも確認済み
さらにいえば、女好きも変わらず
「ギルの席は、ルナ、お前の前だ。手をあげてくれ」
『………』
「ルナ、露骨に嫌な顔をするな」
アルがそう指摘する
ギーヴに出会えたことは、今もうここから飛び降りて死んでもいいぐらいには嬉しい
けれど、軟派な態度で私に話しかけてこないで欲しい
こちらと、今世は彼と恋人になろうなんて思ってないんだから
(違うな…恋人になりたくても、前世と今世という記憶の壁が邪魔をするんだ)
もう彼は、自由でいて欲しい
「これから一年間、よろしくな?ルナちゃん」
『ごめん、アル。会議終わったらすぐ帰るね』
「それはいいけど……えっと、ルナ…?」
何も無視しなくても。と言いたいのだろう
けどこうでもしないと頬が緩むに決まってる
遠ざけたい気持ちとは真逆に、身体はギルを欲しがってる
(こうなったら…)
寝る
「あ」
机に突っ伏して寝るふりをする
話しかけるなというサインでもある
「ルナも悪気があるわけじゃないんだ。ただ…少し男嫌いで…」
「ふぅん?ま、いいけどな。っと、アルだっけ?これから宜しくな」
「あぁ、よろしく頼むよ」
そんな会話が少し新鮮で
【我が名はギーヴ。王都エクバターナより殿下にお仕えするために脱出してまいりました】
初めはこんな堅苦しくて、胡散臭くて
【ギーヴは面白いな】
【そ、それは…どうも】
アルスラーンと距離を詰めると少し砕けて
もっと仲良くなった二人はどんな会話をするだろうか
『見れるかな…』
見てみたい
友達のように笑顔で接する二人を
それは、今が平和である証だから
「あ、放課後の学校案内はルナに任せると職員会議で決まったから、そこの所宜しくな」
………
………………
………………………
『は?』
「…ラッキー♪」
嗚呼、幸運の女神アシよ
私に味方はしてくれないのですか
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リアン - 何で更新しないんですか (8月3日 17時) (
レス) @page8 id: f0649c4276 (このIDを非表示/違反報告)
えりか - このシリーズ大好きです！更新お待ちしております(o^^o)これからも応援しております！ (2017年5月22日 13時) (レス) id: cc54c24fd8 (このIDを非表示/違反報告)
レンカ(プロフ) - 更新楽しみに待ってました！これからも頑張って下さい!! (2017年4月1日 3時) (レス) id: d952a3a507 (このIDを非表示/違反報告)
朝希 緑 - ギーヴ早く思い出してぇぇぇぇ！！！ (2016年10月8日 13時) (レス) id: 30b207dab7 (このIDを非表示/違反報告)
まこう(プロフ) - はじめまして、前作から読ませていただいています！頑張ってください!! (2016年7月10日 22時) (レス) id: 9a3c8c3c59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月4日 18時
