なびかない ページ6
「ぐ…くそっ…学園の犬の分際でっ…!!」
『………』
男の言葉を聞き、女はピンヒールに近いそれで男の真横を踏む。ダンッと鈍い音が響き、ヒールが地面にめり込んでいる
微かだが男の頬に赤い線が浮かび上がる
『何か言ったかい?』
にこり
その笑顔に男は黙った
『さて、転校生?』
ーー
私がギーヴ(仮)の方を見ると、彼はすこしびくりと肩を揺らした
どうにも圧が強すぎたみたいなので、息を吐いて落ち着く。昂ぶるとペルールが出て来てしまう癖はどうにかならないものだろうか
『貴方が探していたというその女の子の落し物は?』
さっきと違う雰囲気に驚いたのか、彼は戸惑いながら答えた
「あ、あぁ…その女性が落としたのはペアリングだった。なんでも恋人から一年記念で貰ったと」
『だろうね。彼女が他の男に靡くなんて考えられない…なのに』
倒れ伏している男を見下ろす
彼に記憶はないが、前世はイスファーン
現在はここの女子生徒と交際している男子高校生だ。二人ともえらく溺愛している
そんな彼女が浮気などするはずがないのだ
『お前は早とちりで危うく恋人の信頼を失う所だったってこと…分かってる?』
「っ…」
『ほら、いつまでたっても無様な醜態晒してないでさっさと行きなさい』
足を退かすと彼はそそくさと学園内へと入っていく
一応暴行未遂だったため、報告書を書くだけ済みそうだ
「お疲れ様、ルナ」
『アル…見ていたなら止めてくれれば良かったのに』
「俺は争いごとは好まないから」
『知ってるけど……あぁ、転校生大丈夫だった?怪我とかしてない?』
ようやくひと段落して、彼の姿をきちんと見ることができる
赤紫の無造作に崩された髪とアクアマリンの様に輝く猫目
姿は少し幼いけれど、顔立ちはやっぱりギーヴだった
ただ、少し違うのは
(耳飾り…私のだ…)
彼の左耳につけられている耳飾りは、私が髪飾り兼耳飾りとして使っていたもの
ちなみに昔の彼の耳飾りは私が所持していている
──交換だ。またお前を見つける、目印として
あぁ、あの時の記憶がどうにもダブる
「掴みかかられた以外は何もない。助けてくれてありがとな…っと」
『ルナ。一応この学園の生徒会副会長よ』
「俺はギルだ。よろしくなルナちゃん」
ギルと名乗った彼は私の手を取り、手の甲に唇を当てる。その光景に女子は黄色い声をあげた
『…アル、今日の会議内容は?』
「部活の費用見直しのみだ。すぐ終わるだろう」
「え、この状況でシカト…?」
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リアン - 何で更新しないんですか (8月3日 17時) (
レス) @page8 id: f0649c4276 (このIDを非表示/違反報告)
えりか - このシリーズ大好きです！更新お待ちしております(o^^o)これからも応援しております！ (2017年5月22日 13時) (レス) id: cc54c24fd8 (このIDを非表示/違反報告)
レンカ(プロフ) - 更新楽しみに待ってました！これからも頑張って下さい!! (2017年4月1日 3時) (レス) id: d952a3a507 (このIDを非表示/違反報告)
朝希 緑 - ギーヴ早く思い出してぇぇぇぇ！！！ (2016年10月8日 13時) (レス) id: 30b207dab7 (このIDを非表示/違反報告)
まこう(プロフ) - はじめまして、前作から読ませていただいています！頑張ってください!! (2016年7月10日 22時) (レス) id: 9a3c8c3c59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月4日 18時
