ここでの立ち位置 ページ4
新学期、入学式ともに終了した頃
私のクラスに転校生がやって来るらしい
親の転勤でいろんな学校を点々としている生徒らしいが、卒業はここでするぐらいには滞在していられるらしい
まあ、転校生が来ようとも案内は私ではなく生徒会長のアルに優先されるから関わりも少ないだろう
「色んな場所を点々と、とは…まるでギーヴの様だな」
『……ま、彼も一応流浪の楽士だったから』
移住民族の出とも聞いていたから、本質はそこにあるのだろう
「だが、おぬしと夫婦になってからはそうならなかったな」
『…』
王都奪還後、私とギーヴは祝言を挙げた
多くの万騎長がいる前で。あれは私なりの決意も込めたものだったけれど、彼らはすんなりとルナを受け入れてくれたのだ
だから教科書に私…ペルールは男として記載され、ギーヴとの関わりも書かれていない
「転校生がギーヴだと私も嬉しいのだが」
『そうやって期待するだけ、後がさみしくなるから言わないで』
人の少ない道路を二人で歩く。私とアルは彼が管理する家で暮らしている
そしてもう二人
「アル兄!」
「?エル?どうした?」
後ろから声をかけられ、アルが振り向く
茶髪の少年が、包み袋を持って走ってきていた
エルこと、前世はエラム
今はアルスラーンの弟だ
「どうしたって、お弁当忘れたでしょう!なんでちょっと抜けてるのかなアル兄は」
「ごめんって」
彼も今年から或泉学園の高等部1年生となる
元々親友の様な間柄だったからか、兄弟としての仲もいい
「全くだな。何度エルに弁当を届けさせているんだお前は」
「ファランまで…」
エルの後ろから現れたのは同じく生徒会で、一緒に暮らしている一個年下のファラン
彼女も生まれ変わりだ。敬語を一切使わないファランギースというのは珍しくて今でもたまに笑ってしまう
記憶がなくとも、こうやって仲良くできているからそれを不便だと思ったことはない
「なにやら、騒がしいな」
ファランの言葉に耳を傾けると、僅かに聞こえる怒声
その声は学園の門近くで聞こえる
「だから、俺はなにも知らないって言っているだろ?」
ドッ
その声に心臓が痛い程に音を立てた
そこに目を向けるのが怖いのに、自分の意思と関係なく瞳が"その人"を捉える
後ろ姿しか見えないけれど、私が見間違えたりなどしない
見間違える筈がない
待ち焦がれた、姿だから
『ギー……ヴ…』
名を呼ぶのも、怖いくらいだ
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リアン - 何で更新しないんですか (8月3日 17時) (
レス) @page8 id: f0649c4276 (このIDを非表示/違反報告)
えりか - このシリーズ大好きです！更新お待ちしております(o^^o)これからも応援しております！ (2017年5月22日 13時) (レス) id: cc54c24fd8 (このIDを非表示/違反報告)
レンカ(プロフ) - 更新楽しみに待ってました！これからも頑張って下さい!! (2017年4月1日 3時) (レス) id: d952a3a507 (このIDを非表示/違反報告)
朝希 緑 - ギーヴ早く思い出してぇぇぇぇ！！！ (2016年10月8日 13時) (レス) id: 30b207dab7 (このIDを非表示/違反報告)
まこう(プロフ) - はじめまして、前作から読ませていただいています！頑張ってください!! (2016年7月10日 22時) (レス) id: 9a3c8c3c59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年1月4日 18時
