不穏な足音 ページ49
理解のできない提案に哀葉は席を立つ
『聞いてねえぞ、そんなん!』
「先ほど、柊から言伝がありました」
『ふざけんなよマジで!!』
「では哀葉は出ないのデースカ?」
『でるよ!!』
((出るのかよ))
最早コントのようなテンポで物事が進んでいく
けれどやはり自分が聞かされていないことを言われるのは納得がいっていないようだ
「ちなみに、曲をお願いしますとのことなので、今回はミュージカルではないそうです」
『つーことは…』
「Oui、哀葉が好きな歌を歌ってもいいのデースヨ」
『本当!?』
楪のその言葉に、哀葉は嬉しそうな笑顔を見せた
ミュージカルも好きではあるが、それと同時にライブのようなアイドルらしいことも好きなのだ
「………かわいい」
「申渡、本音ポロッと出てるぜ」
なんて会話があったことなど、哀葉は知らないだろう
『〜♪』
「えらく上機嫌だな」
虎石は笑う
放課後の帰り道、今日は二人で歩いている
『去年は熱だして綾薙祭に出れなかったからな。嬉しいに決まってんだろ』
なにより野外ステージというのが嬉しいという
ミュージカル役者としてはあまり設備の良くない場所ではあるが、ライブとなれば野外の方が盛り上がる
それに、人を集める魅力というのも試される
『春歌に連絡入れて、これるか確認しないとなー』
「ふはっ」
『?』
突然笑い出した虎石に哀葉は首を傾げる
「わりーわりー。ただ、そうやって笑ってると女の子だなってさ」
『…!!……アホか』
哀葉は少し照れ臭そうにしながら虎石の足を蹴る
彼は謝りながらも笑っていた
けれどそんな二人の背後から伸びる影があった
「哀葉」
『っ…!?』
名を呼ばれてビクリと体を硬直させた哀葉
自分の後ろにいる人間に、恐怖を感じていたからだ
恐る恐る、首を後ろに向ける
「お久しぶりですね。哀葉」
その男性は、にこやかに哀葉に挨拶した
『…は、りや…』
声を出すがやっと一苦労という所だろうか
そのぐらい哀葉は狼狽えていた
ー・−・−
哀葉が帰ってこない
帰り道出会った男について行ってからもう何時間も経った
あの時の哀葉は怯えていたようにも見えたし、正直友好的な関係ではないように思える
(くそ…ムカつく)
どうしようもない不快感
なんでムカついているのかさえ自分でもわからなかった
ガチャ
ドアの開く音がする
哀葉がようやく帰ってきた
「哀葉!おそかっ……っ!?」
次の言葉を紡ぐ事は出来なかった
哀葉がキスをしたから
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ディー＆ダム(プロフ) - 誰が喋ってるか分からないので、分かりやすくしてもえらると助かります。 (2017年1月21日 11時) (
レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - lightjokerさん» ご指摘ありがとうございます。修正しましたので、ご確認ください (2016年10月4日 22時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - 連続ごめんなさい！！ページ13の名前変換も出来ないです。 (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - すいません。ページ４の所の名前変換が出来てないです (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
滝原つな(プロフ) - 春月さん» 直ってましたよー！ありがとうございますm(_ _)m (2016年6月26日 4時) (レス) id: 3f531b701b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2015年11月6日 0時
