合宿終了 ページ48
(数時間前の自分を殴りてぇ…)
哀葉はベッドの上で頭を抱えていた
隣には先ほどまで自分に腕枕をしていた虎石がぐっすりと眠っている
『朧気だが…俺が引き込んだのは覚えてる…』
哀葉はため息をつき、虎石を見る
普段はL字型二段ベッドな上に彼は上の段で寝顔を見ることはない
逆に言えば、哀葉の寝顔も虎石は見れない
(寝てると子供っぽいよなー…まつ毛長いの憎たらしいな)
などと考えながら彼女は虎石の頬に触れる
男子とは思えないような造形をしている彼に少し苛立ちを覚える
『トラ』
さすがにこのまま寝ていては、稽古時間に遅れてしまうため揺すり起こす
けれど中々起きそうにない
『赤トラー?』
反応なし
『はぁ……女声なら起きるか…?』
色々試行錯誤した結果残りはそのぐらいしかないわけで
仕方がなく哀葉は虎石の耳元に口を寄せる
『和泉くん、起きないと襲っちゃうよー?』
「んー…?」
(起きた…!!?マジかよ!!)
驚きを隠せない哀葉を他所に、のそりと体を起こす虎石
ぐっ、と伸びをしてようやく目が覚めたようだ
「よ、おはよ」
『……くたばれチャラ男』
「なんでだよ!?」
起きて早々罵られるとは思ってもなかっただろう
哀葉はそんな虎石を放っておいて、ベッドから出る
「まった」
『っ…おい』
虎石は哀葉の動きを止めるように後ろから抱きしめた
何事かと振り向けば予想以上に近く、哀葉の頬がほんのりと赤く染まる
その表情は明らかなほど女の子だ
「襲ってくれるんじゃねーの?」
ニヤリと虎石は笑ってさらに顔を近づける
普通なら慌てるか、それ以上に赤くなるかだが
『お前みたいなチャラ男はどーでもいい』
「あたっ」
虎石の頭にチョップをかまして、哀葉は立ち上がった
この男の罠にかからない女性は今の所哀葉ぐらいなものなのだろう
ただ
『さっさと準備しなよ。柊サンに怒られるよ』
果たしてこの男は、哀葉の耳だけが赤く染まっていたことに気づいていたのだろうか
夏休みも終わり、二学期
会議室では新人お披露目公演にて勝ち抜いたチームが綾薙祭一日目の説明を受けていた
その場にはやはり何故か哀葉の姿もあった
『解せぬ』
「柊先輩も何か意図があるのでしょう。大人しくしていてくださいね」
『サルちゃんに言われちゃ、しょうがねえな』
「そして最後に、黒崎哀葉さん。貴方には野外ステージで綾薙祭のオープニングを飾っていただきます」
少しの沈黙の後
『はぁぁっ!!?』
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ディー＆ダム(プロフ) - 誰が喋ってるか分からないので、分かりやすくしてもえらると助かります。 (2017年1月21日 11時) (
レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - lightjokerさん» ご指摘ありがとうございます。修正しましたので、ご確認ください (2016年10月4日 22時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - 連続ごめんなさい！！ページ13の名前変換も出来ないです。 (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - すいません。ページ４の所の名前変換が出来てないです (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
滝原つな(プロフ) - 春月さん» 直ってましたよー！ありがとうございますm(_ _)m (2016年6月26日 4時) (レス) id: 3f531b701b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2015年11月6日 0時
