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モヤモヤ ページ33

申渡はそっと自分の胸に手を当てる
だが、不可解なその音は彼には理解不能だ
そんなことも梅雨知らず、哀葉は嬉しそうに両手で申渡の手を握った

『ありがとなサルちゃん!ここなら、少しは楽しくなりそうだ』

「っ…なら、良かったです」

ドキドキと音を立てて、何かを訴える心臓
哀葉の体温を感じる己の右手から、全身に熱が伝わるようで

(暑さでやられたのでしょうか…?)

『栄吾?顔赤いけど、大丈夫か?』

「…!!」

哀葉は心配そうに申渡の頬に手を当てる
驚いた彼は思わず右手を引いてしまう
けれどそれは哀葉がバランスを崩す要因だ

『おわっ…!?』

「っと…すみません。手を繋いだままなのを忘れていました」

咄嗟に抱きかかえた申渡は申し訳なさそうに眉を下げる
哀葉は特に気にせず、笑顔で申渡の頭を撫でた

『ふはっ、お前もそんな顔すんだなぁ。ちょっと得した気分』

「…失礼ですよ」

『悪い悪い』

哀葉は体勢を立て直し、そっと足先を海へとつけた
冷たいと楽しそうに笑う哀葉をぼーっと申渡は見ていた
そんな彼の後ろから

「なーにぼーっとしてんだ。申渡くーん?」

「…!!」

突然掴まれた肩にビクリと驚く申渡
冷静を取り戻して、驚かせた本人の方を向く

「タチが悪いですよ。虎石」

「わりーな。お前が珍しくぼーっとしてっから」

で?と虎石はニヤニヤしながら申渡を見る

「で、とは?」

「とぼけんなよ。まさかお前にそーいう趣味があるとは思わなかったけど、俺は応援するぜ?」

「は?」

何を言っているのか分からないようで、怪訝な顔をする

「おいおい…お前、無自覚?それとも今さっき気づいたとかか?」

「あの、話が見えないのですが」

「だーかーらー、好きなんだろ?哀葉の事が」

暫しの沈黙の後

「はぁっ!!?」

目に見える動揺
虎石はその反応に満足したのか、哀葉の方へと向かった
残された申渡は、虎石の言葉をぐるぐると考えるだけであった


「哀葉ー」

『お、トラッシュ』

「だからそのあだ名…もうこの会話何度目だ」

『だなー。だからそろそろ諦めろ』

哀葉はまだ怖いのか、膝に浸かる辺りまでで止まっていた
海が怖いなどとは知らない虎石はその様子に疑問を持つ

「沖までいかねえの?」

『俺まで向こう行ったら誰があいつら溺れた時助けんだよ。つーか栄吾は?』

「ん?あぁ、砂浜でまだ立ち往生」

『栄吾ー!』

哀葉が名前を呼ぶと、申渡はやっと我に返る
名前を呼ぶ哀葉を虎石は面白くなさそうに見ていたのは誰も知らない

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設定タグ:スタミュ , 虎石和泉 , うたの☆プリンスさまっ♪   
作品ジャンル:アニメ
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ディー&ダム(プロフ) - 誰が喋ってるか分からないので、分かりやすくしてもえらると助かります。 (2017年1月21日 11時) (レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - lightjokerさん» ご指摘ありがとうございます。修正しましたので、ご確認ください (2016年10月4日 22時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - 連続ごめんなさい!!ページ13の名前変換も出来ないです。 (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - すいません。ページ4の所の名前変換が出来てないです (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
滝原つな(プロフ) - 春月さん» 直ってましたよー!ありがとうございますm(_ _)m (2016年6月26日 4時) (レス) id: 3f531b701b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月 | 作成日時:2015年11月6日 0時

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