公演 ページ26
『一人の王子がいた』
静かに喋りだし、ステージの前へ進む
彼女は帽子を外す
『彼は、夢があった。そのためにどうしても旅に出たかった』
彼女は右手を左胸に当てて、握り拳を作る
『これは、その王子の…愛と友情そして自分がどうするべきかを知るための旅である』
カッとスポットライトが彼女を、哀葉を照らす
自分の手を差し出す。まるで客席をその世界に引きずりこむかのように
『どうか最後まで目を離さぬよう…』
哀葉は傍らに置いていたケースを開ける
中から取り出すのはヴァイオリンだ
彼女はヴァイオリンを構え、弓を滑らせる
その音色が合図の様に曲が流れ始める。この劇のオープニング曲
哀葉が行き詰まっていた部分である
『…ーーー』
ハリのいい透き通った歌声が響く
曲の音に負けない声
一気に客席の心を掴んだ
「哀葉…だよな…?」
「…えぇ」
「そうみたいだね…?」
team柊は突然の哀葉の登場の困惑していた
「……凄い」
卯川はすっかり心を奪われていた
戌峰も瞳をキラキラさせていた
けれど、それで終わるわけがない。これは一人劇だ
場面が変わり、王子が旅を始めるシーンへ移動する
まるで客席が街の住人のように哀葉は客席へと話しかける
『泉に住む人魚、火山にある消えない焔、1000年に1度だけ咲く花…どれも魅力的だ。もっと他には無いのか?私は知りたい。この世の全てを…!!』
冒険へ心を踊らせ、王子は幻の花園にある1000年に1度だけ咲く花を見に向かうことにした
その道中、王子について行く仲間も増えていく
『へぇ、花を見に…面白い!アタシも興味があったんだ。アンタについていくよ!』
強気な女剣士
『成る程な。じゃ、俺の船に乗りな!きっとおもしれぇ旅になると思うぜ』
大らかな海賊の船長
『ぼ、僕も連れていってください…!その幻の花園には万病をも治す花があるんです…!僕は、その花がどうしても欲しいんです…!!』
弱気な薬師
『私も、貴方について行きたいです。その花を見てみたい』
旅の途中に出会った村娘
個性豊かな仲間を哀葉は全て演じる
それでも、不自然さは感じない
『1000年に1度だけ咲く花……本当は口実なんだ。私は、自分がどうあるべきか…自分探しの旅に出たかっただけかもしれないんだ』
道中、王子は壁に阻まれ弱気になってしまうけれど、支える仲間たち
それでも自分たちは着いて行くという
王子の心には勇気と、一つの愛情が芽生えていた
『ありがとう。お陰で目が覚めたよ』
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ディー&ダム(プロフ) - 誰が喋ってるか分からないので、分かりやすくしてもえらると助かります。 (2017年1月21日 11時) (レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - lightjokerさん» ご指摘ありがとうございます。修正しましたので、ご確認ください (2016年10月4日 22時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - 連続ごめんなさい!!ページ13の名前変換も出来ないです。 (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - すいません。ページ4の所の名前変換が出来てないです (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
滝原つな(プロフ) - 春月さん» 直ってましたよー!ありがとうございますm(_ _)m (2016年6月26日 4時) (レス) id: 3f531b701b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2015年11月6日 0時