自主練習 ページ23
本日、team柊はリハーサルのような形でステージを借りて練習していた
しかしそこに哀葉の姿はない
「黒崎は?」
辰己は虎石に問いかける
「なんか別件があるとかなんとか」
「別件?」
「それは俺もよくわかんねえ」
哀葉は、誰もいない稽古場で一人、公演の練習をしていた
ミュージカル学科志望の人には当日まで秘密とのことでこうして隠れて練習をしている
(今日は柊メンバーがいなくて助かったな)
今日から通しでやりたかった哀葉にとって、柊のステージでの練習という提案はありがたかった
『しっかし…一人で何役もやるのは流石に疲れんな』
ふぅ、と彼女は息を漏らす
それに哀葉は少し躓いていた
一人劇の最初、つまりオープニングをどうするかだ
台本には歌としか書かれていない
曲はあるもののそれをどうするかも何も書かれていなかった
(劇中のBGMは決まった…だがオープニングが決まらなければ劇は決まらない)
『どーすっかなー…』
そんな哀葉に一人、来訪がくる
「準備はいいかな?哀葉」
『!!樹さん!』
鳳が稽古場に入って来ていた
練習も早めに切り上げたようで、今様子を見に来てくれてたそうだ
「差し入れ持って来たんだ。食べる?」
『ありがとうございます。ちょっと行き詰まってたんで、丁度良かったです』
鳳が持ってきた物は、プリンだった
哀葉はそれを食べながら、鳳に相談する
『ってことなんすけど…あれでもないこれでもないって思ったらこんがらがって』
「確かに一人劇は難しいしね。それに君の場合は音響や照明も一人でやっているんだろ?」
『まあ…でも当日は運営の人がやるんで、楽なんですけど』
それでも哀葉の顔には疲れが見えていた
本人がそう思っていなくても、体は堪えているはずだ
「少しは休んだら?このままだと倒れそうだ」
『樹さんにそう見えるってことは相当無理してるのか…確かに最近寝てないかも』
鳳の言うことは大体聞く哀葉は素直に休みますと言った
けれどオープニング部分のことは決め切りたいようだ
「いっその事、演奏しながら歌って見るのはどうかな?なんてね」
鳳が冗談交じりに、笑って言った
けれどその言葉で哀葉はハッとした
『そっか……その手があったのか…』
「あれ、哀葉?」
『樹さんありがとう!お陰で正解が見えた気がする!』
哀葉は心底嬉しそうに笑って鳳に抱きつく
感謝の気持ちを込めて力いっぱい
その行動に鳳は微笑みながらも、少し複雑そうだ
「無防備だなぁ」
『?』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ディー＆ダム(プロフ) - 誰が喋ってるか分からないので、分かりやすくしてもえらると助かります。 (2017年1月21日 11時) (
レス) id: 9c7bed322d (このIDを非表示/違反報告)
春月(プロフ) - lightjokerさん» ご指摘ありがとうございます。修正しましたので、ご確認ください (2016年10月4日 22時) (レス) id: 3cb9b28fc9 (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - 連続ごめんなさい！！ページ13の名前変換も出来ないです。 (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
lightjoker(プロフ) - すいません。ページ４の所の名前変換が出来てないです (2016年10月4日 19時) (レス) id: b2450b22ee (このIDを非表示/違反報告)
滝原つな(プロフ) - 春月さん» 直ってましたよー！ありがとうございますm(_ _)m (2016年6月26日 4時) (レス) id: 3f531b701b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：春月 | 作成日時：2015年11月6日 0時
