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スタミュin夏祭り ページ31

『夏祭り?』

「そ。今度の土日に一駅先の神社でやるんだってよ。今日デートした女の子が言ってた」

寮の部屋
先ほどデートから帰ってきた虎石が、荷物を降ろしながらそう告げる
対して哀葉は夕飯の支度をし終え、料理の乗った皿を数枚器用に持っていた

「お、今日なに?」

『フィッシュヘッドカレーの、魚抜いたやつ。頭の旨味がたっぷり入ってるから取り除いた』

「それフィッシュヘッドって言うか…?」

『なんとでも』

虎石はさりげなく哀葉の持っている皿を取り上げてテーブルに運ぶ
別に重くもなかったが…という顔もしながら哀葉は小さく感謝の意を述べる

『で?』

「ん?」

『いや、それを俺に言うんだから、行くんだろ?夕飯いらないって話か?』

哀葉の見当違いな言葉に虎石は思わずため息をこぼしそうになる
自分がこの話を振ったのはそういうことではないというのに

「行こうぜ」

『は』

「夏祭りに。俺とお前でデート、しよ」

デートの部分を強調するように虎石はいう
哀葉は暫し考え、言葉を咀嚼した途端に男 黒崎哀葉から女の子の表情になる

『っ、わ、俺と…!?』

「そーだよ。鈍いなー哀葉ちゃん」

一瞬、私と言いかけた哀葉に虎石は楽しそうに笑う

『でも、女の子とデートじゃ…』

「いや?俺の予定はまだフリーなんだけど?」

『………俺でいいの』

「お前じゃなきゃ嫌なの。言わせないと分かんねえの?」

ずいっと距離を縮めた虎石に、哀葉はドキリとする
付き合ってからも、女の子と遊ぶことをやめない虎石に、哀葉は愛されてる自覚という物がなかった
虎石が未だに女の子と遊ぶのは、パッタリとやめてしまっては他のメンバーが不思議がり、追求してくるからだ
勿論、この提案をしたのは哀葉の方

(だからなのか、全然甘えて来ねえんだもんなー…俺としてはドロドロに甘やかしたいのに)

「で、いいの?」

数段低く、甘く、囁けば哀葉は顔を赤く染めて、ゆっくりと首を縦に振る

『…和泉が、いいなら…私も行きたい』

その返答に満足した虎石は体を引き、席につく

「そうと決まれば、日曜18時、駅前待ち合わせな。ちゃーんとおしゃれしてこいよ?」

『プレッシャーかけんな。ばか』

哀葉も赤みの差した顔のまま、向かい側に座る

(おしゃれ、ね)

哀葉は虎石の言葉を思い出しながら、今夜の晩御飯に口をつけたのだった

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設定タグ:恋愛 , 番外編   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:春月 | 作成日時:2015年10月16日 11時

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