外伝集 (ページ28)

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【スタミュ】エイプリルフール① ページ28

状況整理をすぐさまさせてほしい

今目の前にいるコレはなんなのか

(誰か教えてくれ…!!)

「なぁー」

『……なんで、猫』

部屋に帰るなり目の前に現れたグレーの猫
ロシアンブルーに似ているが、目の色もグレーなので違うみたいだ
何より、耳先が紅い
雑種の猫でもこんな猫は見たことがない

『お前、どっから来た…?』

「にゃっ!!」

『いや、わかんねえ』

俺の言葉が理解できているのかなんなのか知らないが、猫はぐるぐると俺の周りにいる

『ていうか赤トラはどこだ?そろそろ夕食どきだってのに…』

「にゃー!!」

『っ!?な、お前いきなりなん…ちょ、くすぐったい…!!』

肩に飛び乗って来たかと思えば、グリグリと頭を首に押し付けられる
とてつもなくくすぐったい

て、ちょっとまて

『虎石少年?』

俺が赤トラの不在を確認した時に、猫が飛び乗って来た
まさかとは思うが…

「にゃぁ」

『……嘘だろ?』

嘘だ
こんなことはありえない。あり得ることがない

あ、そうだ

『そうかエイプリルフール!今日だったよなーそうだよなー…お前が赤メッシュなわけないよなー』

ゲシッ

『……悪かったよ』

目の前のことが本当に嘘のようで、現実逃避をしたら頬に猫パンチを食らった
完全に言葉が分かっている証拠だ

まあ確かにこんな色の猫がいたら話題になっているはずだから
そこでようやくテーブルに置き手紙があるのに気づいた

"ユーに嘘のようで嘘じゃないものを送りマース!楽しんでくだサーイネッ"

『やっぱり社長か!!!』

エイプリルフールは嘘を付く日であって本当のことにしてどうすんだ!!
アホか!!!

『しっかしどうしたもんか…赤トラ、お前本当に赤トラなんだな?』

確認のためにもう一度聞いてみる
すると猫は俺の肩から降りて、パソコンが置いてある机に飛び乗る
どうやら文字を打ちたいらしい
電源をつけて、メモ帳を起動させると

"いつまでうたがうんだよ。"

『おぉ……猫が文字打ってる…』

"かんしんするとこそこじゃないだろ！？"

『悪い。しかしまあ、社長はとんでもねえもん使うな…』

社長とは、蘭ちゃんが所属する事務所。シャイニング事務所の社長、シャイニング早乙女だ
あの人がすることはいつも突拍子もないことをしでかすから、こんなことをしてもおかしくはないのだ

『まあ明日には戻るだろ。とりあえず飯作るか』

"まちがえてねこのえさとかだすなよ"

『しねえよ。そんなの』