外伝集 (ページ24)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:50,625 hit

【赤髪】惚れ薬③ ページ24

考えても思い当たる節は一つしかない
惚れ薬の影響
これに限る

『っ、ひにゃ…!』

ぐるぐると考えているといつの間にか、サクの服は脱がされ始めていた
リボンを取られ、ワンピースのボタンが数個外されている

(マズイ…このままだと本当に食われる…!!)

しかし、サクの両手はオビの手で頭の上に押さえつけられている
いくら体術等を心得ていても男の力には敵わない

「サクの肌、白いから痕が残りやすい」

『ゃ…まっ…オビ…!』

首元に数ヶ所、痕が残される
彼に迫られたとしても、ここまで進むことは無かった
サクの速度に合わせて、オビは事を進めていたから
それが、薬一つでこうも変わってしまう

『やだって、言ってるだろ…!』

「大丈夫だって。すぐ、俺しか考えられなくしてあげるから」

『そうじゃないって…あっ』

サクのスカートの間から手が差し入れられる
もうだめかもしれないとサクはギュッと目を瞑った

その時

「……何してんの」

サクの声が聞こえたのか、部屋の扉が開く
入って来たのは木々だった
今この瞬間、サクには木々が天の救いに様に見えていた

『き、木々…!助けて…!』

「木々嬢、邪魔しないでくださいよ」

木々はサクとオビを交互に見て、暫し考えて

「オビ、おやすみ」

「がっ…!」

サクを取った
鞘に入ったままの剣をオビのうなじにふるい落とし、気絶させる
その後木々はサクを抱き起こした

『…ありがとう、木々』

「サクが泣くの、珍しかったから…後、あの状況でどう考えてもオビが悪そうだったし」

サクの目尻に溜まっている涙を拭いながら、どうしたのか聞く
サクはミツヒデ同様、木々に全てを話した

「成る程ね」

『最初は平気そうだと思ってたんだけど…まさか、オビには媚薬効果があるとは思わなかった…』

「オビの場合、惚れてるもんね。とりあえず、ここから出ようか」

サクの外れたボタンをキッチリ止めて、木々はサクの手を取って歩き出す

『何処に行くの?』

「暫くは私の部屋にいるといいよ。薬室長に頼んで、白雪を呼んであげるから」

流石に木々がつきっきりというわけにはいかない
サクはもう一度お礼を言って、木々の好意に甘えることにした

「じゃあ、行ってくるね」

『本当にごめん』

「気にしないでって言ったはずだよ」

木々はサクの頭を撫でて部屋を出る
自身より年下の木々ではあるが、今はとても頼り甲斐のある女性のようだ