外伝集 (ページ23)

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【赤髪】惚れ薬② ページ23

(この声…ミツヒデか)

サクは一か八か、彼から姿を見えないように話す事を試して見ることにした
扉を開けて、その裏に隠れる

「あれ、サク?」

突然開いた扉の先にいないサクを不思議に思ったミツヒデは部屋に入る
サクはそれを見計らって、彼の背に立つ

『ミツヒデ』

「っ!?『待った。振り向くな』えっ!?」

反射的に振り向こうとしたミツヒデに待ってをかける

『あぁやっぱり…姿が見えなかったら効果はないみたいだな』

「え?サク?」

『ミツヒデ、このまま会話を続けてくれ。用件は?』

「あ、いや、イザナ様がサクを呼んでこいと…」

『……そんな気はした。ミツヒデ、面倒だから先に話しておく』

サクは自分の身に起こった事を包み隠さず話す
ミツヒデは驚きつつも話を聞いた

「そうか、だから振り向くなと…」

『悪いんだけど、イザナ殿下にそう伝えてくれる?一日経ったら効力は切れるから』

「分かった。伝えておこう……あんまり無理するなよ」

ミツヒデはサクを見ない様にしながら部屋を出る

『とりあえず、今日はイザナ殿下に会わずに済んだか…あの人のことだから面白がって見そうだからな…』

「何が?」

『だから、イザナ殿下が……………!!?』

振り向くと、窓辺にオビが座っていた
不覚。と思いながらもふと気づく

『……あれ?平気…?』

「だから何が?」

『あーいや…なんでも』

惚れ薬効果がオビに効いていない事に疑問を持ちながら、誤魔化す
オビにこの事を言いたくないのは、言い寄られる自分を見られたくないからだ

『何の様?』

「いやぁ、仕事が退屈で抜け出して来たんですよ」

『またか…』

オビはにこにこしながら部屋に入る
最近、主に似て来たな…と思っていると

『えっ…いっ…!』

腕を掴まれたと思えば、サクは床に押し倒される
その拍子に頭をぶつけたらしい

『オビ!いきなりなんだ…!』

「サク、今すぐあんたが欲しい」

『はぁっ…!?』

突然すぎるオビの行動にギョッとする
サクにこんな風に性急に迫ることなんて無かったのだから

『待ったオビ。今の時間帯考えて盛るのは早いから』

「そんなの関係ない。今、したい」

『にゃっ…!?』

オビはサクの首筋に吸い付く
唇を離すと、そこには鬱血した痕がついていた

「あんたって、こういう時、そういう声出すんだ」

『ちょっと、何をっ…!?』

オビの行動はどんどんエスカレートして行くばかりだ

(なんでこうなったの…!?)