【赤髪】山猫に躾を ページ19
※付き合った前提。本編とは繋がってないけど付き合ったら多分こんな
『オビ重い』
第一声がそれって、傷つくなぁとは思うけど何時ものことだから気にしない
「あんたが筆を止めてくれたら、どきますよ」
いつもの笑顔で答えると彼女はまたキャンバスに顔を向ける
『それは聞けない相談だ』
「じゃあ、俺はどかないよ」
『君さ、最近ちょっとべったり…んんっ…!?』
こっちに顔を向けたのを見計らって、口付ける
体もこっちに向けて、さらに深く唇を合わせる
『ふ、ん…はぁっ、オビッ…んぅ』
最初は抵抗しようとする手も、時間が経つとすがる様になる
本気で嫌がってるわけじゃないし、こう言うことも好きみたいだから俺も頻繁にしちゃうわけで
「…ふ……かわいい」
『はぁっ…オビ、いい加減にしなよ…最近、僕にベタベタしすぎだよ』
「だって、あんたが可愛いから、つい」
別に嫌じゃないんでしょ?と聞けば押し黙る
ホント、顔に出やすいんだから
『よし…じゃあ、オビ』
「なに?」
『僕はもう帰るから、仕事、頑張ってね』
「え、ちょっと、サク…!?」
画材を片付けて、さっさと城に帰ってしまう
いつもなら、なんだかんだいって俺がここにいるのを許すのに
(今日は都合が悪かったとか)
そう考えた自分を呪うことになるとはこの時考えてもいなかった
「…………」
あれから一週間、サクに会ってない
完全に避けられてる
(思えばあの時、ちゃんと聞いてればこんな事にならなかったのかねぇ)
「オビのやつ、どうしたんだ?」
「あー…一週間ぐらいサクさんに避けられるらしくて」
「あぁ、それで…けど、サクならさっきまで廊下で俺と話してたぞ。特に変わった様子もなかったしな」
「だってさ、オビ……っていないし!」
「サク!!」
廊下を歩く彼女の後ろ姿を見つけて声をかける
聞こえてるはずなのに止まってくれない
「サク、待ってって。この前の事、謝るから」
そう言うと足を止めてくれる
「確かに、俺、浮かれてて調子に乗ってたよ。けど、流石に避けられると…キツイっていうか」
『…少しは反省した?』
「そりゃもう……て、えっ」
振り返った彼女の顔はわるーい顔をしていた
『やっぱり、こうやった方が君にはいい薬みたいだね』
「なっ、あんた最初っから…!!」
『王子から、"山猫の躾はしっかりな"って言われてるからね』
「…やられた」
この人には一生敵わない
End
ーー
猫の日関係ない(笑)
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作者名:春月 | 作成日時:2015年10月16日 11時