捕縛、罪 ページ13
夜が明ける。無事にシャガードは捕縛できたようだが、その減らず口は絶えないまま
それに少しばかりジャスワントは腹立たしく思ったらしい
「彼奴の口に辛子でも塗ってやりましょう。私の祖国では、流言飛語を成す者にその様な罰をくれてやるようになっております」
「それはラジェンドラ殿のことか?」
『はは、これは一本取られたね。…っと』
アルフリードが船に乗り込んで行く。どうやらナルサスの無事を確認しにきたらしい
これ以上ここに居ても野暮なので、早々に退散する事としよう
「怪我はない様だな」
城に戻れば、一足先に城に戻って居たギーヴから声がかかる
『心配しなくても、格下相手に遅れを取るような鍛え方はしてないわよ』
「おっと、これは失礼。だがお前は不都合があると隠したがる癖があるのでな。心配はさせてくれ」
『もう…』
ギーヴがこちらに歩み寄り、私の頬を拭う。どうやら知らない間に返り血が付いていたらしい
成る程。これだと怪我しているように見えるか
「発作は平気か?」
『貴方がいれば問題ないよ。それに、仲間内に女であることを話したお陰でペルールのままでも平気になったみたい』
頼れる者の少なさから、頼る事を恐れてしまった。あの発作はそこにも要因があったらしい
長い事隠し続けていたダリューンにも打ち明けて、受け止めてもらえたから、もうあの発作が起こる事はないだろう
(まあ、大事な仲間が命を落とした時は別なのだろうけど)
「それは嬉しくもあるが、不満でもあるな」
『え?』
「俺を頼らなくなるだろう?」
何をいうかと思えば、この人は
『頼るわよ。貴方が居てこその私だもん』
「…!これは、参ったな」
ギーヴはくつりと笑って、私の腰を抱く。応えるように私も身を預けた
しばらくして、全員が城に戻ってくる
広間に移動し、捕らえたシャガードを囲うように私達が立った
今回の件で彼の陰謀全てが明かされた。さて、アルスラーンはどのような処遇を出すのだろうか
「シャガード。おぬしを奴 隷商人に引き渡す」
「っ!?なにっ…!?」
「一年間鎖に繋がれ、奴 隷として惨めな生活を送ってみるがいい。人として生まれながら、家畜のように売買され、酷使される経験を味わってみるがいい。それがおぬしの罰だ」
シャガードには苦痛の一年になる事は間違いないだろう。殺されるより苦しい生活。一年で彼はどれだけ疲弊するか
「政権王ジャムシードの叡智に誉あれ。王者の審判は降された」
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奈那 - 完結おめでとうございます!最高のギーヴの夢小説に出会えて幸せです♡こっちが本当のアルスラーン戦記であって欲しかった…。春月様のこれからの作品も楽しみにしております! (2023年2月8日 16時) (レス) @page22 id: baac7d2864 (このIDを非表示/違反報告)
乱中 久(プロフ) - こんばんは。完結おめでとうございます。春月様のギーヴには毎度ドキドキさせていただき、更新が楽しみでなりませんでした。番外編や次回作等、これからの春月様のご活動も応援しております。 (2019年6月4日 20時) (レス) id: d74e0e0202 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 今度はメルレインメインの小説が見たいです。(*^O^*)o(^o^)o (2019年5月30日 20時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃのべる(プロフ) - はじめまして。以前から楽しく読ませてもらってました。完結おめでとうございます。かってではありますが、またギーヴのお話を書かれることを、楽しみにしています。 (2019年5月29日 21時) (レス) id: 7753f34fb2 (このIDを非表示/違反報告)
林香織(プロフ) - 春月さん» 本当に長い執筆お疲れ様でした!ありがとうございます!Twitterの方でセブンにて販売すると仰ってたので、買いに行きたいと思います(*^^*) (2019年5月29日 16時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2017年9月27日 10時