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目的地へ向かう途中 ページ10

翌朝
積荷を全てシャビニカに乗せて、乗り込む
服はいつものペルールの服。ここから先は、戦場へ向かう道だから、女子の格好なんてしていられない
今日は一段と風が強く、耳飾りとなった翡翠の飾りが揺れる

「ルナ、準備出来たか……って、はぁ…!?」

『なんだいギーヴ。私を見るなり、素っ頓狂な声を出して』

「お前な…道中の俺の楽しみを奪うか」

多分服のことを言っているのだろう
ギーヴに貰った服は好きだけど、戦うには少し動きにくい

『ははっ、お前の目の保養に私はいるわけじゃ無いのだがなぁ』

ギーヴは渋い顔をしながらも馬に乗り込み、私の隣に並ぶ
もう十分、休んだし楽しんだ。この後は目的を果たすだけ

『さて、行きましょうか。デマヴァント山へ』

「そうだな」


ー・ー・ー


フゼスターン地方を離れたころには、すっかり日が落ちた
ルナの目のことも考えてここらで野宿をすることになった
鬱蒼と茂る森の中、少し開けた場所に腰を据える

「待ってろ、今火をおこす」

あまり動けないルナの為に急いで火付けの作業をする

「…!」

背に僅かな温もり
振り返れば、ルナが俺の背に身を寄せていた

「…どうした?」

『……寒い』

「確かに、流石に夜は冷えるな」

ルナの言いたいことはそういうことじゃないのは何と無くわかっていた
多分、少し心細かったのだろう

「お、ついたな。ほら、こい」

腕を引いて背から、腕の中へと囲う

「デマヴァント山に着くまで後どの位だ?」

『そうだな…今の調子で行くと7日かかるか、かからないか…』

「なら、なるべく村を通って行こう。その方がお前もいいだろう」

『気を使わなくていい。別に夜通しでも走れる』

ルナは変なところで意地を張る
こういうところがあるから、ストレスを溜め込むのはこいつ自身自覚はしているのだろうが

「ま、あまり時間が無い場合はそうしよう。シャビニカ、こっち来い」

俺が呼ぶとシャビニカは俺とルナを囲むように座った

「もう寝るか。目を瞑れば暗闇も気にならんだろ」

『…うん』

ルナの目を手で覆う
数分もせずに寝息が聞こえてきた。前ならこんなに早く眠ってはくれなかっただろう

「…せめて今だけは、俺に甘えろよ。ルナ」

この先の戦いで無茶をするルナの姿は簡単に想像ができる
せめてこの背中以上の傷は負わせたくはない

命だけは奪わせない

関係性→←姪と叔父



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設定タグ:アルスラーン戦記 , ギーヴ   
作品ジャンル:アニメ
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夜兎 蓮(プロフ) - 更新されるのを待ってました!!!!ぺルールかっこかわいいです!!!!!! (2017年5月5日 13時) (レス) id: 594b9a598c (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜 - 春月さん» 更新待ってました! (2017年3月18日 16時) (レス) id: 43ee0b77f2 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - またまたお邪魔します!更新されたのがわかったので飛んできました!やっぱりギーヴファンにはたまらないです(笑)更新頑張ってください! (2016年12月12日 18時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 一番最初から読ませていただいてます!この作品大好きです!更新を待ってます! (2016年12月6日 15時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘 - 最初から読んでますがやっぱり最高です!これからも頑張ってください!更新されたらすぐ読みます!! (2016年11月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 23a2bb1a46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月 | 作成日時:2016年7月5日 12時

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