ゾット族 ページ29
村を出発してから3、4日
ギランはもうすぐそこまで迫っていた
流石にここまで来ると、暑さも増してくる
「そろそろ休みましょうか?」
「いや、出来ればここを抜けてからにしたい。殿下、今しばらくのご辛抱を」
「あぁ、大丈夫だ」
と、私達の退路を塞ぐ者達が現れる
どうやら族のようだが、どうにも見覚えがある
「馬を止めろ。命が惜しくばなぁ」
族は私達を取り囲み、武器を構える
やっぱりこの特徴的な模様は、ゾット族の……
『これは…手を出さない方がいいかな…』
そんなことも露知らず、襲いかかって来た一人をダリューンは意図もたやすく剣を弾いてしまう
それはそうだ。この大陸一強い男と言われるだけの力を備えている
差は歴然だ
「やめな!」
威勢のいいよく通った声が、その場の空気を変える
彼女、アルフリードが前に出る
「お前達が束になっても敵う相手じゃないよ」
アルフリードがフードを脱ぐと、彼らに動揺が走る
「あっ、アルフリード様…!?」
「えっ」
様付けされるアルフリードにアルスラーンは困惑する
彼女はゾット族をまとめていた男の娘で、時期族長と言われていたらしい
顔を知らない者はいないのだろう
事情を伝えると、彼らはギランまでの道を案内してくれることとなった
「ギランの町はこの丘を越えた所です」
「ここまででいいよ。ありがとね、あんた達」
「やれやれ…まさか山賊に道案内してもらうとはな」
『ギーヴ』
「そう怖い顔をするな。悪気はないぞ」
いつも皮肉めいた事を言って反感を買うのだから、ハラハラするこちらの身にもなってほしい
「それにしても驚きましたよ。アルフリード様が王太子殿下と一緒とは」
「お嬢、本当に戻って来てくれないんすかい?」
「当たり前だろ!あたしはもうナルサスの妻なんだからねぇ」
寄りかかろうとしたアルフリードを避けるようにナルサスは距離を取る
流石にそろそろ諦めた方が身のためかもしれないのに
「メルレイン様も出て行っちまって、残された俺らはどうすればいいのか…」
「全く、兄貴にも困ったもんだ。族長の子だっていうのに自覚が足りないのよねぇ」
(貴方がいうのか…それを)
皆顔には出ていたが、口には出さなかった
「ナルサス殿、いえ旦那様!これから我らゾット族一同貴方に忠誠を誓わせて頂きます」
「おい、いきなりなにを…」
「あんたはアルフリード様が見初めた男だ。ならば我らが族長も同然」
『ははっ、また面倒な』
「笑うなルナ!」
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夜兎 蓮(プロフ) - 更新されるのを待ってました!!!!ぺルールかっこかわいいです!!!!!! (2017年5月5日 13時) (
レス) id: 594b9a598c (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜 - 春月さん» 更新待ってました！ (2017年3月18日 16時) (レス) id: 43ee0b77f2 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - またまたお邪魔します！更新されたのがわかったので飛んできました！やっぱりギーヴファンにはたまらないです(笑)更新頑張ってください！ (2016年12月12日 18時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 一番最初から読ませていただいてます！この作品大好きです！更新を待ってます！ (2016年12月6日 15時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘 - 最初から読んでますがやっぱり最高です！これからも頑張ってください！更新されたらすぐ読みます！！ (2016年11月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 23a2bb1a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年7月5日 12時
