改めまして ページ28
ダリューンへの説明やら牽制やらを終わらせた後、まじまじとルナを見る
先ほどまで気にしてはいなかったが、随分とまあ露出が高い
いくら、場所が常夏のギランだからとてこれは少し放っておけない
「ルナ」
『ん?』
可愛らしい笑顔のまま、俺を見て首を傾げる仕草に心臓が跳ねるのを抑えつつ、聞いてみる
「服、少し肌が出過ぎやしないか」
『え?…でも、ファランギースもそう変わらないと思うけど…』
「それとこれとは別だ。確かに、その服はお前に似合うがな」
なら、と言いかけたルナの唇を指でとめる
「だが、恋人兼婚約者としては、お前の肌の露出を良しとは言えん」
『…む、それならギーヴだって…』
「ん?」
珍しく反論して来たルナに、先ほど彼女がやったように首を傾げる
『……体の線、出し過ぎ、だと…思う』
たどたどしい言い方ではあったが、どうやら俺の服に文句をつけるらしい
ルナの場合、文句というよりは懇願に近そうな気もするが
(大方、俺を直視できないのだろうな。一緒に風呂に入った時も俺を見ようともしなかった)
ただし、怪我の手当ては例外だ
「はて、出過ぎとは?」
『白々しいってば…』
「さてな」
『ギーヴは、今まで着ていた服が服だったから、わかりにくいけど、かなり引き締まってるし、そうやって出されると困るって言うか…さっきから周りの女性の目が痛いと言うか……ようするに、モヤモヤするの…!』
「…………」
それは、つまり
「嫉妬か?」
『なっ…!』
「そうかそうか、お前も嫉妬をしてくれるようになったか」
『ち、ちがっ…!!』
耳まで真っ赤にしておいて何を言う
「はいはい…夫婦喧嘩は犬も食わないっていうのは本当ね」
『ふっ…!?違うから!!』
「あーあ私もナルサスとそんな風になりたいなぁ」
「ペルール様、ギーヴ様に何かされましたら遠慮なく私に言ってくださいね」
「おいエラム」
「どうでもよいが、そろそろ出立せんとギランにいつまで経っても着かんぞ」
「それはいかんなぁ」
「皆、二人をからかうのはその辺にしといたら…どうだろうか」
殿下がそれとなく止めるが、皆面白がっている
俺たちを見世物か何かだと思っているのかこいつらは
「しかし、ギーヴは驚くほど溺愛だな…」
「それは仕方が無い!何せルナは俺の運命の人なのだからなぁ!はっはっはっ」
『ギーヴまでっ…もうっ、皆して意地悪よ!!』
そんな風に真っ赤にして拗ねるルナを皆で慰めて、ギランに向かえるのはもう少し後の話だ
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夜兎 蓮(プロフ) - 更新されるのを待ってました!!!!ぺルールかっこかわいいです!!!!!! (2017年5月5日 13時) (レス) id: 594b9a598c (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜 - 春月さん» 更新待ってました! (2017年3月18日 16時) (レス) id: 43ee0b77f2 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - またまたお邪魔します!更新されたのがわかったので飛んできました!やっぱりギーヴファンにはたまらないです(笑)更新頑張ってください! (2016年12月12日 18時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 一番最初から読ませていただいてます!この作品大好きです!更新を待ってます! (2016年12月6日 15時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘 - 最初から読んでますがやっぱり最高です!これからも頑張ってください!更新されたらすぐ読みます!! (2016年11月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 23a2bb1a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2016年7月5日 12時