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説教と牽制と ページ27

背後から怒りの念が伝わってくる
今振り返ってはいけないとわかっているのに、それでも振り返るしかない
恐る恐る後ろを見ると、笑顔を貼り付けたギーヴがそこにいた
見たことのない表情だけど、多分…いや確実に怒っている

「答えろルナ」

『えっとですね…』

どうしても歯切れが悪くなる
不機嫌になることはあっても、ここまで分かりやすく怒ったところを見たことがなくて、一歩下がる
けど、それがいけなかった

『…んぅっ…!?』

腰に腕を回され、あったはずの距離が縮まり、零になった
一度だけ離れたと思った唇はまた押し付けられる

『ぎ、んーっ…!』

「…黙ってろ」

吐息混じりの低い声にぞくっとする
けれどここは往来で、周りには皆がいる
そんな羞恥に耐えられるわけがないのに

『ぁ…んんっ…ふ』

胸を叩いて、離すように合図する。と、流石にわかってくれたようで離してくれた
ただ、離れる間際にチュ、という音は立てないで欲しかった

『…はぁ…ぅ』

膝がガクガクと笑っている。ギーヴが支えていてくれないと崩れ落ちてしまう

『…ギーヴ、ごめんなさい…けど、エラムは瀕死寸前だったから、あれしかなくて…』

「………」

『でも、み、皆の前でこんなこと…』

周りの顔が伺えない
結果として、ギーヴの胸に顔をうずめるしかない

「…そういえば、報告していなかったな」

『……?』

「俺とペルールは婚姻関係…言うなれば夫婦同然だ。そのこと頭に叩き込んでおけよ。特にダリューン卿!!」

「おっ、おう…!わかった…!」

彼が困惑しているのは顔を見ずとも分かった
そういえば皆の前で口付けるのは何も初めてではなかった
あの時は随分と事情が違うが

「…ギーヴ様、心が狭いですね」

「ほんとにねー。あれじゃペルールに愛想つかされちゃうよ」

「寧ろ愛想をつかされて、決裂してくれんかのう」

「………」

「あはは……酷い言われようだな…」



「全く奴は加減を知らないのか…」

「だが、少し納得がいったな…ギーヴが何故男のペルールに口付けたのかずっと疑問だったのだ。これでようやく謎が解けた」

「お前もお前で、順応が良すぎるだろう…まったく」

賑やかな、楽しい声が響く

言ってもよかったんだって、実感させてくれる

彼らが仲間で良かった

改めまして→←分からせるには物理で



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設定タグ:アルスラーン戦記 , ギーヴ   
作品ジャンル:アニメ
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夜兎 蓮(プロフ) - 更新されるのを待ってました!!!!ぺルールかっこかわいいです!!!!!! (2017年5月5日 13時) (レス) id: 594b9a598c (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜 - 春月さん» 更新待ってました! (2017年3月18日 16時) (レス) id: 43ee0b77f2 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - またまたお邪魔します!更新されたのがわかったので飛んできました!やっぱりギーヴファンにはたまらないです(笑)更新頑張ってください! (2016年12月12日 18時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 一番最初から読ませていただいてます!この作品大好きです!更新を待ってます! (2016年12月6日 15時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘 - 最初から読んでますがやっぱり最高です!これからも頑張ってください!更新されたらすぐ読みます!! (2016年11月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 23a2bb1a46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月 | 作成日時:2016年7月5日 12時

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