次なる場所は ページ16
朝方、私とギーヴは朝食を取りながらどうするかの相談をする
今や宝剣は聖騎士団の手の中だ
彼らを闇雲に探しても時間の浪費になってしまう
『となると、妥当なのが…』
「一つだけに絞られるな」
帰ろう
我が主 アルスラーンの元へ
『情報収集をした結果、アルスラーンはペシャワールへと引き返したらしい』
「引き返した?」
『トゥラーンが攻め入ったみたいで、その応援に』
あれから暫く、村の人々に話を聞いて回った所、アルスラーンは現在ペシャワールに戻っているらしいとのことだ
手薄状態の本陣が落とされては元も子もないのは確かであるし、優しいアルスラーンは仲間を見捨てることなど出来やしない
彼にはどれだけの不幸が振りまかれているのか、計り知れない
「成る程な…では、ペシャワールに戻ればいいか…デマヴァント山からペシャワール城塞はそこまで遠くはないからな」
『何かあってからでは遅い。今すぐにでも此処を出ないと…』
「まあそう急くな。焦りは禁物だろう」
ギーヴは立ち上がった私の肩に手をおき、もう一度座らせる
『別に焦ってるわけじゃない…けど、そうだね。少し落ち着かないと』
「お前はたまに周りを見ないからな。それに、もう日が暮れる。朝方になってから出るとしよう」
『……ありがとう、ギーヴ』
ギーヴの方を向けば、彼は笑ってくれた
「婚約者を気遣うのは当然だろう」
『っ…』
不意打ちの婚約者の文字にドッと心臓が跳ねる
あぁ、慣れたと思っていたのに
「顔が赤いぞ」
『…気のせい、だよ』
「見え透いた嘘をつくな。頬が熱いぞ」
ぺた、とギーヴの手が頬に添えられる
『……だって、実感が…なくて』
「それは俺もだが?嫁が出来たなんて昔の俺が聞いたら驚愕するだろう」
『…嫁、って…』
「アルフリードの言葉を借りれば、妻。か?」
『ちょ、まって…!』
「ん」
ギーヴの口を慌てて塞ぐ
『も、もう、やめてってば…!ほら、早く寝るよ…!』
「仕方が無い…奥方をからかうのは寝台に入ってからだな」
『ギーヴ…!!』
こんな他愛ない会話も、後もう少しで出来なくなるのかもしれない
じゃあ、少しは甘えてみようかな
ーー
イチャついてばっか…笑
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夜兎 蓮(プロフ) - 更新されるのを待ってました!!!!ぺルールかっこかわいいです!!!!!! (2017年5月5日 13時) (レス) id: 594b9a598c (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜 - 春月さん» 更新待ってました! (2017年3月18日 16時) (レス) id: 43ee0b77f2 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - またまたお邪魔します!更新されたのがわかったので飛んできました!やっぱりギーヴファンにはたまらないです(笑)更新頑張ってください! (2016年12月12日 18時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 一番最初から読ませていただいてます!この作品大好きです!更新を待ってます! (2016年12月6日 15時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘 - 最初から読んでますがやっぱり最高です!これからも頑張ってください!更新されたらすぐ読みます!! (2016年11月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 23a2bb1a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2016年7月5日 12時