特効薬は愛 ページ15
お風呂から上がって、ギーヴの手当てをする
薬草の匂いが部屋全体に広がる
『これで最後、と』
湿布薬を患部に貼り、その上から固定するように包帯を巻いて行く
「これぐらい平気だというのに…大袈裟だ」
『手当てできるうちのしておいた方がいいでしょう。確かに、薬の匂いはギーヴが好きそうな感じでは無いけど』
「それもあるが、これではお前を抱けないではないか」
さらりとこの人は何をいうのだろうか
『貴方はどうしてそういうコトしか言わないの…』
「確かに、自制が出来てない自覚はあるな。お前の行動一つ一つに反応していてはキリがないと思ってはいるが…どうも上手く行かん」
『……それが悪いか悪くないかってなると、微妙だけど…』
恥ずかしいけど、嬉しいとは思う
けれどそれとこれとは別物だ
「そういえば、銀仮面と会話した時、言っていたな?"あれから髪は少し伸びたか"と。どういう意味だ?」
『あ、あれは…』
「まあ、大方予想は付くがな。銀仮面と戦った時に髪を切られた…違うか?」
こういう時、察しのいいギーヴには何も嘘はつけない
恐る恐る頷くと、彼は仕方がなさそうな表情を浮かべた
「ルナの麗しい髪を断ち切ったことに関しては腹立たしいが、過去のことをアレコレと言ってももう戻らんからな」
『…でも』
「?」
『ケジメとしては丁度良かったと私は思ってる。結局ヒルメスとは決着が付かずに引き分けで終わったけど、色々肩の荷が下りたから』
私の中のペルールはヒルメスへの嘘から始まっていた
だからこそ、彼との幼い日の約束を果たせたことがペルールを演じる上でのストレスの軽減になったと思う
『それにね、ギーヴに出会えて嬉しいって思うの。貴方は、愛を教えてくれるから』
その愛が大き過ぎて、受け止めきれない時が多い
でもその一つ一つに嘘や偽りはない
『好きだよ。ギーヴ。貴方が私に飽きてもね』
「まったくお前は…」
その場に押し倒され、見下げられる
瞳には熱が見える
「確かに俺は女が好きだ。もっと言えば美女が好きだ。だがな、お前以上に執着できる女などいないのだ。お前が死ねば、きっと俺も後を追うぐらいにはな」
『縁起でもないこと言わないで』
「では、繋ぎとめておけ。それが俺に効く薬だ」
ギーヴは笑って、私の喉元に噛み付いた
「いいな?」
『喜んで』
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夜兎 蓮(プロフ) - 更新されるのを待ってました!!!!ぺルールかっこかわいいです!!!!!! (2017年5月5日 13時) (レス) id: 594b9a598c (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜 - 春月さん» 更新待ってました! (2017年3月18日 16時) (レス) id: 43ee0b77f2 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - またまたお邪魔します!更新されたのがわかったので飛んできました!やっぱりギーヴファンにはたまらないです(笑)更新頑張ってください! (2016年12月12日 18時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 一番最初から読ませていただいてます!この作品大好きです!更新を待ってます! (2016年12月6日 15時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘 - 最初から読んでますがやっぱり最高です!これからも頑張ってください!更新されたらすぐ読みます!! (2016年11月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 23a2bb1a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2016年7月5日 12時