退却 ページ14
急いで段々になっている崖を滑り降りて行く
上でヒルメスが兵に指示をしているのが聞こえる
『確かこの辺り…っ!!』
霧の中、突然現れる剣先をスレスレで避ける
ルシタニア兵ではあるが、武装が違う
『なんだいお前達は』
「貴様に名乗る名などない!!」
なおも切りかかって来る兵をひらりひらりと躱す
『やれやれ、血の気の多い聖騎士団だ』
「!!?」
『気づかないとでも思って居たのかい?ははっ、それはまた大層貧弱な頭だ』
「我らを侮辱するかぁ!!」
私の周りを兵が囲む
けれど霧で見えないのはお互い様だ。ただ私は人より勘がいい
『せいぜい同士討ちをするといいさ』
霧に紛れ、上へと戻る
上でギーヴが私を待っていた
「無事か、ペルール」
『あぁ、対したことでは無い…が。厄介だね』
「奴らは…」
『聖騎士団。ルシタニアの大司教ボダンの手下だね。やれやれ…面倒ごとが次から次へと』
聖騎士団はルクナバードを回収し、濃霧の中へ消えて行った
と、ギーヴは私を抱き上げ木へ登る
二人して雨に打たれ、崖をおりて、びしょ濡れで泥まみれだ
「なんてこった…ややこしいのが出て来やがった…こう一度に沢山起こっては手に余る…」
ギーヴは空を見上げる
そろそろ雨が上がりそうだ
「さて……」
彼は何か思案するような素振りを見せた後、私に視線を合わせた
「何処か宿を探すか。風邪を引くし、服も台無しになる」
『ん。…そうだ、ギーヴ、落馬した時何処か打ったりしなかった?』
「問題ない。ただ馬の方は、少し痛手を負ったかな」
ザンデの武器は並の兵士じゃ片手で持てない品物だ
それを受けた馬は骨がやられているのは明白だった
『シャビニカに二人で乗るしか無いかな』
「だろうな。銀仮面の関心がこっちに向いていないうちにさっさと行くか」
ー・ー・ー
宿を一部屋借りて、荷物を置く
ギーヴと向き合うと、彼は不思議そうな顔をする
『ギーヴ、脱いで』
「は?」
『だから脱いでってば。ほら、早く』
「おい、お前から誘ってくれるのは嬉しいが、せめて風呂に入ってからにしろ…っておい脱がすな!」
問答無用で脱がすと、案の定痣が所々に出来ていた
落馬して大きな怪我はなかったものの、体に影響が無いとは限らない
『やっぱり…』
「……そういうことか…期待して損したな」
『なにいっ…て…』
はた、と気づく。冷静に考えると私はギーヴを襲ってるように他から見えるわけで
『〜〜〜っ!!』
「このまま続けてもいいぞ?」
『しません!』
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夜兎 蓮(プロフ) - 更新されるのを待ってました!!!!ぺルールかっこかわいいです!!!!!! (2017年5月5日 13時) (
レス) id: 594b9a598c (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜 - 春月さん» 更新待ってました！ (2017年3月18日 16時) (レス) id: 43ee0b77f2 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - またまたお邪魔します！更新されたのがわかったので飛んできました！やっぱりギーヴファンにはたまらないです(笑)更新頑張ってください！ (2016年12月12日 18時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 一番最初から読ませていただいてます！この作品大好きです！更新を待ってます！ (2016年12月6日 15時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘 - 最初から読んでますがやっぱり最高です！これからも頑張ってください！更新されたらすぐ読みます！！ (2016年11月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 23a2bb1a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春月 | 作成日時：2016年7月5日 12時
