宝剣の奪い合い ページ13
「まさか、こんな所でお前とまた会うとはな…あれから髪は少しは伸びたか」
『ははっ、お前こそ何個その仮面の変えがあるのだい?先日壊したはずだというのになぁ』
私は剣を抜く
周りにはルシタニア兵が私を囲んでいる
「お前との決着はまた今度だ。今はこのへぼ楽士を片付けるのみだ…!」
「感動の再会は終わったようだな?おとなしくそれを渡して貰おうではないか…!」
ギーヴとヒルメスはまた剣を交える
彼のことだから、任せて良いだろう。問題はこっちだ
『久しぶりに見る顔ではないか?ザンデ』
「…ペルール卿」
『ははっ、敵である私をまだ敬うか。嫌いではないが、敵としては不甲斐ないな』
かかってきた兵を切り倒す
ザンデと瞳が合うと、彼は少し身震いした
私が怒りを募らせているのを感じているのだろう
『お前も、お前の父も、悪人になりきれないのが玉に瑕だね』
「っ…だまれぇ…!!!」
彼は鈍器を振り回す。当たれば骨がイかれること間違いなしの剛力だ
けれど振り回すだけでは、私には当たらない
『遅い!!』
「んぐぅっ…!!!」
空いた懐に蹴りを入れる。ここで切らない辺り私も甘い
と、大きな音が響く。ヒルメスがギーヴの背後を取ったように見えた
『っ、ギーヴ!?』
「無事だ!」
ギーヴはヒルメスと対峙してもなお、私に笑顔を向ける
そのまま彼は置かれたルクナバードを手に取った
「貴様…!!」
「俺にとってはただの骨董品。だがこんなものでも権威の象徴には違いない…王位の証を手に入れるとしたら………それはアルスラーン殿下だ」
「なんだと…?」
ギーヴはこちらへ向かってくる
「行くぞ。長居は無用だ」
『あぁ』
さっさと帰る。と言いたい所だがやはり敵は立ち塞がる
「それは、ヒルメス殿下のものだぁ!!」
『煩いのは嫌いなのだよ…!!』
ザンデの武器を受け流し、ギーヴを先に行かせる
『先に行け!』
「了解…!」
ヒルメスがギーヴの後を追う
私も急いで、外へと出る
いつの間にやら、雨は降り出していた
『シャビニカ!』
シャビニカを呼び、すぐさま退散する
こういう時は逃げるが勝ちだ
だが
「うぉぉぉ!!」
「!!」
ザンデの投げた鈍器がギーヴの馬に当たり、落馬
『ギーヴ!!』
「待て、ペルール!!」
『っ、煩いのだよ、ヒルメス!!』
攻撃を仕掛けてくるヒルメスを払い、急いでギーヴの元へ向かう
ザンデの攻撃を受け、退いた彼は宝剣を手放してしまった
『また、面倒な…!』
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夜兎 蓮(プロフ) - 更新されるのを待ってました!!!!ぺルールかっこかわいいです!!!!!! (2017年5月5日 13時) (レス) id: 594b9a598c (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜 - 春月さん» 更新待ってました! (2017年3月18日 16時) (レス) id: 43ee0b77f2 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - またまたお邪魔します!更新されたのがわかったので飛んできました!やっぱりギーヴファンにはたまらないです(笑)更新頑張ってください! (2016年12月12日 18時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - 一番最初から読ませていただいてます!この作品大好きです!更新を待ってます! (2016年12月6日 15時) (レス) id: 1eec9432d8 (このIDを非表示/違反報告)
雨傘 - 最初から読んでますがやっぱり最高です!これからも頑張ってください!更新されたらすぐ読みます!! (2016年11月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 23a2bb1a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春月 | 作成日時:2016年7月5日 12時