僕から、この気持ちを。【Short story】 (ページ6)

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握手会が終わってから、僕はどうやら上の空だったみたいで、リーダーに｢何してんの｣と言われてしまった。

坂｢なんか気になった人いんの？｣
三｢え、あ、｣
井｢図星だ｣
三｢いや違うって、いや、あの、｣
井｢早く言ってみろって｣

坂本くんと、井ノ原くんに挟まれる。
このソファ、2人がけなのに。

三｢…ある女性の方なんだけど｣
坂｢ほう｣
三｢言葉、言わなくて｣
井｢うん｣
三｢手、動かして、そのまんま去ってった｣
井｢うん｣
三｢………………｣
井&坂｢……｣
三｢いやなんかあるでしょ突っ込んでよ｣
井｢俺らの時には無かったなぁ？｣
坂｢あぁ〜そんな人見てないなぁ。
　もしかして、健の推しか？｣
三｢まぁそうだと嬉しいけど｣
井｢何、素直に喜べよ｣
三｢何だったかを知りたいのよ｣
井｢何が？｣
三｢その、女性が何を伝えたか｣

｢……手話、なんじゃない？｣

急に声を出したのは、長野くん。
聞いてたの？

長｢手話でさ、なんか、伝えてたんじゃないの？きっと、その方は健のファンで。顔だったり、性格とか見て、好きになったんじゃねぇの？｣
三｢……そう、なのかなぁ…｣

長｢調べてみた方が楽かもしれねぇぜ。…お前のためにな｣

そう言うと、長野くんは去って行ってしまった。
次の仕事あるんで、お先に、と楽屋を出ていった。