ぼーいっしゅがーる。Ⅶ (ページ22)

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｢でもよく覚えてるよね……そういう思い出事もそうだけど、映像もよく覚えてる。急に喋り出したのがTVで見たとか、昔こんなことがあってとか、よく言う｣

野｢多分特徴なんだと思う、何かを補うために特化してるというか｣

A本人が知らない事実、か。
それも白黒はっきり付けられないのであれば、その事実を知った時、どう感じるか、だ。
傍(はた)から見たら｢普通｣にしか見えないのに。
｢普通じゃない｣と本人が気になり言い出したら、事実を伝えるのが1番妥当じゃないのだろうか。

……ううん、悩む。

野｢このメモ、落としたことは謝る。気をつける…メモ書き移しとくよ｣

｢そうしてよ、外で落とされたらたまったもんじゃない｣

野｢あと…どうする？これ、智くんは見た聞いたでいいかも知んないけど、他のメンバーには｣

｢A抜きでってこと？｣

野｢そうなるね…｣

｢一応、、俺の中で消化させてくんね？それからにしたい俺の中で消化させて？｣

野｢そっか、じゃあ戻ろっか｣

そういえばレッスン室を借りようとしていたんだ。
そんなに時間はかかっていない。言うなら10分時間を潰してたってことくらい。

レッスン室に行こうとすると、Aと翔くんと鉢合わせた。

『なんか話してたの？……野田さんと』

｢……まぁ、ね｣

櫻｢……智くん？｣

｢なんでもない、よ｣

ただ、それしか言えなかったけど。