ぼーいっしゅがーる。Ⅶ (ページ18)

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｢デビュー前、この頃からかなぁ、本格的に忙しくなってきたのよ｣

『なんて言われたの？』

｢……｢You中心のグループを作ろうと思ってる｣って言われた頃には、もう術中にハマってたんだろうね。どんどんいろんな準備がされていたんだよ｣

『デビュー…、嬉しかった？』

｢最初の頃はホントに、｢何やってんだよ俺｣とか思ってたけど。
お前に会うっていう変化もあって、今では良かったと思ってるよ｣

『そっか、』

大学まで出たんだ。
自分でも分かる、翔くんの卒業した大学がいい所だってことは。

周りは安泰にいいサラリーマンだとかいい場所で働いているはずなのに、本人はやってみるの延長線が続いたその先が、芸能界という世界で。

いつどうなるかなんて、明日がどうなるかも分からない。

そんな世界なんだ。

｢あ、そうだお前レッスン始まるぞ、智くんがいまレッスン室貸出取ってきてくれてるけど｣

『あっ、そうだ何分前！？』

｢まだ、、…あと15分くらいあるけど｣

『……はぁ、急に思い出してびっくりした……』

｢でも、なんでDVD見てたの、そこ気になる｣

『……気になることあって』

｢その、気になるのは｣

『……スキンシップとか言うやつ』

改めて気になることを言葉にした。
……すごく恥ずかしいけど。
でも、それほど身の回りでそんなことがあるんだから、自分には気になって仕方なかったのだ。

｢確かになぁ、この事務所のヤツら、距離感バカだよな。俺でもたまに気になる｣