#16◇ スキンシップ。 ページ17
一昨年、事務所にある素材庫を訪れてから、
スキマ時間もどうしようもない時は、事務所に寄って多くのDVDを見てきた。
でもただ見るのではない。
コンサートDVDだったらどんな演出をしているか。
バラエティ番組を録画したDVDなら、どんな掛け合いをしているか。
勉強というものだ。
ちなみに、あの日から随分と作業は進んだらしく、DVDの量が増えた。
｢VHSとして発売したものも、DVDに移したからね、質は良くなったし、量は軽くなったよ｣
そんな今日見るのは、KinKi KidsのコンサートDVD。
自分が生まれる直前の、そんなDVDだ。
・
｢おぉ、剛｣
｢おま、なんやねん笑｣
｢いやいや、なんでもねぇよ｣
ビデオを見てると、ちょくちょく見る、
2人の関係。
バックハグだけでなく、真正面から抱きついたり頭をポンポンしていたり。
されてる側はどうしようも無い顔をしてるけど。
『……これが、普通なのかな』
韓国のコンサートでもそうだった。
ファンサに答えて、素でピースをしたあと、
柔らかくだけど相葉ちゃんからバックハグをされた。
びっくりしたけど、周りのファンは歓喜の声を上げていた。
スキンシップをとる方が、みんなは仲良く見えるのだろうか。
『……どうしたらいいんかな……』
ロッキングチェアのキャスターをコロコロと転がし、止めてはその場でクルクルと回って。
『……あ』
｢何してるの、ここで｣
『……DVD、見てた、気になることあって』
扉の近くの席でやってたもんだから、謎に見られてしまった。
……翔くんに。
｢なに、…｢Kinki Kids 3 Days Panic At Tokyo Dome 98-99 ｣か、…冬コンかぁ｣
懐かしいな、と一言。
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作者名：harutomo | 作成日時：2023年11月9日 8時
