ぼーいっしゅがーる。Ⅶ (ページ13)

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#12◇ 流行りに乗るのです。ページ13

……いつこれ履こうかなぁ。

普段のプレゼントなんて、誕生日プレゼントかクリスマスプレゼントのどちらかだったのだが、
家に帰れば、｢これ、楽しみな｣と親からプレゼントを貰ったのは、仕事のなかった平日の夜。

自分の部屋に戻って開けたその箱に入っていたのは、

格納式ローラーシューズ。

子どもたちのなかで一大ブームとなっているローラーシューズだ。

身に纏う色として大好きな色、黒の靴。

まさか、買ってもらえるとは思っていなかった。
しかも、自分にとって特別な日があるわけでもないこの時期に。
もしかしてこれを貰うことで何かとんでもないことが起きてしまうのでは、とも考えたくらい。

……いや、ホントにいつ履こう。

広いとこだよな、やるとしたら。

狭いとこでは絶対にしない。
大変なことになるんだから。

何度も何度も悩む。
うぅん、と悩んで、顔を上げる。

目の前には、カレンダー。

……お、そういえば。

『日曜日のレッスンの後履こっかな』