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53,安堵の息|一期side ページ3

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こんのすけの話が終わった後、私たちは各々解散した。



というのも、こんのすけがいつの間にかいなくなっていたこともあり

就寝時間も近いため、部屋へ向かう者
大広間でそのまま談笑する者がちらほらと目に伺える。



机に置かれた紙類はこれからのため、各々持ち帰ることとなった。


その紙と筆記具が私にも手渡される。




「はい、いち兄」


「ありがとう。秋田」



持って来てくれた秋田をひと撫ですると、心地好さそうに微笑んだ。


………この痛々しい傷がなければ、この罪悪感も去って行くものだが…。





「ねぇいち兄?」


「何だい、信濃」




「俺、審神者さんの体調気になるから、見に行ってもいいかなぁ?」



その信濃の断りに、周りにいた秋田と乱、五虎退もすばやく反応した。

私の周りにいる弟たちの目が
今までに見たことがないほど輝いていたから







「…私も一緒に行くよ」



そう、弟たちに微笑みかけた。




本音としては薬研のため。

今でこそ薬研が心配なのに、さらに弟たちに行かれてしまっては私の心臓が保たない。




この気持ちと一緒に

私は弟たちと、審神者部屋へ向かうこととなった。





「あらっ」


「審神者さん…いないですね…」



信濃が審神者部屋の襖を開けたところ、中は真っ暗で
審神者と思わしき人物は見当たらない。


信濃に続いた五虎退も顔を覗かせるが、少々残念そうだ。




「…あれ?布団で寝てるの、薬研じゃない?」



乱も顔を覗かせると、彼の目に映ったのは布団だった。

そして布団には何故か薬研が寝ている。




「…っ!」



怖くなった私は、すぐさま薬研の元に駆けつけ布団を勢い良く捲る。

そばにいた弟たちはそんな私にとても驚いていた。


しかし内心を理解してくれたようで、私に続き
後ろから薬研を覗き見る。





「薬研ぐっすりだねぇ」


「ちょっと羨ましいです」




審神者の布団で眠る薬研を見た信濃と秋田が、微笑ましそうに見るものだから
それに釣られて私も心なしか安堵のため息をついてしまう。

54,優しい霊気| ・→←52,関係性



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チョコミント - こんにちは。この作品の独特の世界観が好みで続きを読めるのを楽しみにしていたのですが、移動先は読めそうにないとこなのでとても残念です。 移動先でも更新頑張って下さい、応援してます。 無事の完結を願ってます。 (2021年3月19日 14時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
ta0628tm0105(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続き待ってます! (2020年4月12日 22時) (レス) id: 0ed1a1911f (このIDを非表示/違反報告)
青碧(プロフ) - 黒羽ひみとさん» こんにちは!この作品を待ってくださってありがとうございます…!更新できるくらいには元気に生きております!笑 お心遣いとても感謝です。お互い強く生きましょうねv (2020年4月11日 15時) (レス) id: 5415801c28 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽ひみと(プロフ) - 更新ありがとうございます!待ってました。世は大変ですが、青碧さんは大丈夫でしょうか?体調の方には充分気を使ってください。続きを楽しみにしています。 (2020年4月9日 23時) (レス) id: 451dd01b35 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても面白いです!ゆっくりでいいので更新頑張ってください! (2019年5月21日 16時) (レス) id: 4da4b68b81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青碧 | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年6月26日 23時

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