【刀剣乱舞】誰もいない本丸 -弐-

69,途切れた音 ページ19

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空気の切れる音がした。

無線機を見れば、電源ランプがいつの間にか消えていたようだ。




「…審神者、さま」


隣からか細い声が聞こえる。

視線を下に向けると、俯いたこんのすけがつぶやいていたようだった。



表情は読み取れないが落ち込んでいる様子が見てとれた。

も、もしや…


『プラグ繋げたままだったから壊れちゃった…？』


思わず顔を青ざめる。
せっかく、せっかく1日でこうして形にしてくれた貴重な無線機を。

私の浅はかな行動でぽっくりいってしまうだなんて。


しかしこんのすけは私を見てぽかんとしていた。


んん…。
どうやら見当違いだったようだ。



そんな私を見てこんのすけは眉を下げて笑った。

けれどすぐに表情は戻り、無線機の方を見る。…が、徐に首を上げた。



おそらくこちらにいる刀剣男士を見ているのだろう。

無線機がないとお話もできないので、私はこんのすけを見守るしかなかった。




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一向にこんのすけが口も開かず、ただそこに座っていたので待ちぼうけ。

だって目の前に彼らがいるかもしれないと思うと
黙って立ち去れないじゃない。


私はこんのすけしか見れないので、動く尻尾、変わる表情を眺めていた。

たまに外も眺めながら。



……あぁ、畑に何か植えられないかな。

私は一人じゃないと知ることできたし
こうして広間に集まってくださった彼らなら、何人かは手伝ってくれるかな。


その前に本丸の大掃除もしなきゃな。


昨日は風呂掃除をしたけど、あの時も何人か手伝ってくれたし

あんな広いとこだったらここの道場の掃除とかも今日中に終われるかな。



なんて、私は呑気なことを考えていた。

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