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✳シャオロン視点
｢…で？何を俺と喋りたかったんや？｣
彼にじとりと視線を向けた。彼は困ったように笑った。
｢え？そーやなぁ…。…ふふっアカンなぁ、いざ喋れるってなったら言葉が出てこーへん笑｣
｢あっそ、なら俺は帰るで｣
｢ウソウソウソ、ごめん待って！！ある！喋りたかったことあるから！！｣
エーミールが本気で焦ったように引き止めたので、俺は少し気分を良くし、調子を取り戻した。…そう思ったのが馬鹿だった。
｢これだけはどーしても伝えたかってん。…シャオロンさん、今までずっと一緒に居ってくれてありがとうな｣
エーミールがそう言ってゆったりと笑った。
…不意打ちだった。頬が熱くなる俺をよそに、彼は毒気の無い表情で満足したように静かに笑っている。
｢……なんやそれ｣
｢え、シャオロンさん？｣
｢…自分だけ言って、満足しやがって｣
はーあ、ホンマにこの人のこういう所、ホンッマに嫌い。けど、…ここで何も返事をしなかったら男が廃る。
｢…エーミール、一度しか言わんからよォ聞けや！！｣
｢っはい！？｣
突然の大声に彼がビクッと肩をあげた。俺は声を大にして彼の目を見て言った。
｢俺を拾ってくれて！！育ててくれて！！中身妖怪でスマンなんて思いながらも離れられへん位に居心地良くて！！依代が死ぬって時にようやっと決心ついて逃げたのに馬鹿みたいに探してくれて！！｣
彼が目を丸くして、大声を出し始めた俺に驚いている。ハッ、いい気味や。
｢アンタが諦め悪いから、しゃーなしに俺の正体が妖怪やってバラして貰ったのに、逆に興味持つとかホンッマに意味わからへんし！！何にも見えへんくせに危ないモンばっか拾ってくるから目ェ離せへんし！！とうとう直接話をしに来るし！！ホンマにアホやで！！｣
大きく息をついた。本当にアホや。
｢…けど、………俺の方こそありがとうな｣
肩で息をつき、床に視線を落とした。前方からエーミールの、
｢途中から俺の悪口になってませんでしたか？笑………でも、どういたしまして｣
いつもの少し笑いを含んだ、落ち着いた声がした。
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鶏太郎(プロフ) - 猫の手さん» 猫の手さん、コメントありがとうございます！気づくのが遅くなってしまいました(汗)動画ネタや伏線、小ネタを詰め込むのを生きがいにしているので、それに気づいてもらえてとても嬉しいです！今後も更新頑張りますね！ (2020年8月31日 0時) (
レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 所々で話が繋がっているところが、読んでいてとても面白いです!!次の話も読んできますね!!更新頑張ってください! (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 今回初めて最初から読ませていただきました。 妖怪ものの小説がすごく好きでこの小説を見つけたとき凄く読みたいという気持ちにかられましたね…() 読んでるうちに、shaの時のお話ってもしかしてknの時と話が繋がっているのでは…?と考えたりして (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - まみむさん» まみむさん、コメントありがとうございます！自分が読みたいものを書いている節しかないので、そう言って貰えて本当にありがたいです…！笑今後もゆっくりと書いていきますね！ (2020年7月14日 23時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
まみむ(プロフ) - いつも楽しませてもらっています。鶏太郎さんのペースで続きも楽しみに待ってます。面白い作品をありがとうございます (2020年7月12日 22時) (レス) id: 143523a762 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年7月5日 14時
