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✳エーミール視点
随分昔の話になります、と前置きをして俺は滔々と語り出した。
｢僕は小さい頃、犬を飼ってたんです。野良犬だったのを拾ってきて、親に頼み込んでどうにか飼わせて貰えることになりましてね？本当に聞き分けのいい子で、散歩も僕のペースに合わせてくれるような子だったんです｣
今でも昨日のことのように思い出せる。一息ついて、再び語り出した。
｢けど、その子はある日突然姿を消したんです。十数年間、仲良くしていたのに、突然。いくら探しても見つかりませんでした。もうおじいちゃんと呼べる歳でしたからね、生きて見つかる望みは薄いだろうと思っていました。それでも諦めきれず、必死に探しましたよ。
…そうやって探していた時、ある男性が声を掛けて来たんです。『君の探している犬は、実は妖怪が依代としてとり憑いていたのだ』と。『その妖怪は、今も君の近くにいる』と。
…突拍子も無いですよねぇ。流石の僕も怒りましたよ。いい加減な事を言うなってね。
けどその男性は、その後僕しか知り得ない事をポンポン言い当てたんです。その子が好きだったおもちゃや、よく散歩に行っていた公園の景色など…、そしてその男性は、『妖怪の名前はシャオロンと言う、彼は君がずっと悲しんでいるのがどうも嫌らしい。………。フッw…分かった分かった、伝えてやる。…そんなウジウジしてるから、エミさんは女子からモテへんのやぞ！…だそうだゾ？』って言ったんです。
…それが何だか、とてもしっくり来ましてね。彼なりに、元気を出せと言ってくれているような気がしたんです｣
ふふっと笑いを零すと、Aが静かに相槌をうってくれた。
｢それ以来、私は目に見えない現象や事象を信じるようになり、この分野にのめり込みました。…お陰様でこの状態ですよ笑｣
少しため息混じりに周りを手で指し示すと、彼女が笑った。
｢呪具や術具で部屋が溢れかえる位に、のめり込んでしまった。ということですかw｣
｢ええ｣
俺も笑い返した。
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鶏太郎(プロフ) - 猫の手さん» 猫の手さん、コメントありがとうございます！気づくのが遅くなってしまいました(汗)動画ネタや伏線、小ネタを詰め込むのを生きがいにしているので、それに気づいてもらえてとても嬉しいです！今後も更新頑張りますね！ (2020年8月31日 0時) (
レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 所々で話が繋がっているところが、読んでいてとても面白いです!!次の話も読んできますね!!更新頑張ってください! (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 今回初めて最初から読ませていただきました。 妖怪ものの小説がすごく好きでこの小説を見つけたとき凄く読みたいという気持ちにかられましたね…() 読んでるうちに、shaの時のお話ってもしかしてknの時と話が繋がっているのでは…?と考えたりして (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - まみむさん» まみむさん、コメントありがとうございます！自分が読みたいものを書いている節しかないので、そう言って貰えて本当にありがたいです…！笑今後もゆっくりと書いていきますね！ (2020年7月14日 23時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
まみむ(プロフ) - いつも楽しませてもらっています。鶏太郎さんのペースで続きも楽しみに待ってます。面白い作品をありがとうございます (2020年7月12日 22時) (レス) id: 143523a762 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年7月5日 14時
