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(いや、まだ相手にはバレて無いはずだ。目があった訳じゃない)
横目で相手をそれとなく伺うと、向こうはこちらをガン見してはいるが、声を掛けるつもりは無さそうだった。それは半液体状の体をしており、緑とも青緑色ともいえない絶妙な色をしていた。厳密には目はないのだが…、視線だけはヒシヒシと感じられた。…端的に言って、逃げたい。
｢…教授。申し訳ないですが、急用を思い出したのでお話はまた今度に出来ませんか｣
｢おや、それは残念ですね。それなら仕方ありません、また後日ということにしましょう｣
彼が眉をさげて了承してくれた。う、良心が痛む。…が、それ以上に早くこの場を立ち去りたい。というか教授、アンタよくこんな部屋に居られるな！？
｢はい、では失礼します…｣
平静を装いつつ、踵を返そうとしたその時。
｢…ｱ、A、A………ﾄﾞｺｲｸﾉ………?｣
｢……！？｣
思わず息を飲み込んだ。身体全身が金縛りにあったように、ドアノブに手をかけた状態で固まった。
(……そういえば、さっき名前呼ばれたか)
エーミールが私の名前を先程呼んでいた。そのときにこの妖に知られてしまったのだろう。冷や汗がぶわっと全身から吹き出るような心地の中、頭は割と冷静であった。…しかし、どうしたものか。身体が動かない以上、助けを呼ぶことも出来ない。エーミールの落ち着き加減からして、彼はおそらくこの化け物が見えていない。戦力外だ。
｢…Aさん？どうされました？｣
体の自由がきかず、そちらを向くことは出来ないがエーミールが訝しむ声を発した。まあ、そりゃそうだわな。帰るといった学生が立ち止まってたらそら気になるわ。…と、考えている間にも、化け物が背後をズルズルと近づいてくるのが分かった。まずい。
(…あーーー今日今この時だけ都合よくオスマンか大先生が遊びに来ねぇかなぁぁぁあ！？)
内心ヤケになりながら心の中で叫んだそのとき。
ズシャリ。
何かが潰れる音と共に、
｢ハッ、雑魚乙！！｣
嘲笑うような声がした。
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鶏太郎(プロフ) - 猫の手さん» 猫の手さん、コメントありがとうございます！気づくのが遅くなってしまいました(汗)動画ネタや伏線、小ネタを詰め込むのを生きがいにしているので、それに気づいてもらえてとても嬉しいです！今後も更新頑張りますね！ (2020年8月31日 0時) (
レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 所々で話が繋がっているところが、読んでいてとても面白いです!!次の話も読んできますね!!更新頑張ってください! (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
猫の手 - 今回初めて最初から読ませていただきました。 妖怪ものの小説がすごく好きでこの小説を見つけたとき凄く読みたいという気持ちにかられましたね…() 読んでるうちに、shaの時のお話ってもしかしてknの時と話が繋がっているのでは…?と考えたりして (2020年7月18日 15時) (レス) id: f27b2b8a60 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - まみむさん» まみむさん、コメントありがとうございます！自分が読みたいものを書いている節しかないので、そう言って貰えて本当にありがたいです…！笑今後もゆっくりと書いていきますね！ (2020年7月14日 23時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
まみむ(プロフ) - いつも楽しませてもらっています。鶏太郎さんのペースで続きも楽しみに待ってます。面白い作品をありがとうございます (2020年7月12日 22時) (レス) id: 143523a762 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年7月5日 14時
