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オスマンがニコニコと、小首を傾げながら質問を口にした。
「エミさんは…俺の友人になってくれる？」
ここにきて、質問の趣旨が変わった事に疑問を持つ。しかし、特段否定する要素も無かったのであまり時間を開けずに答えた。
「？…私で良ければ、喜んで？」
その返答に対して、
「…うーん、これはシャオロンも手ぇ焼く訳やで。エミさん、俺が言えた義理ちゃうけど、もっと警戒せんとアカンよ」
彼は何故か一瞬、寂しそうな笑いをこぼした。いや、それよりも。彼の口から思ってもみない名前が飛び出した。
「シャオロンさんをご存知なんですか？」
「ふふ、せやで」
言いつつオスマンがくるりと後ろを向いた。
「さ、帰ろ…、と。その前に。…なあ」
そして、何も無い場所に向かって声を掛けた。少し下の方に向けられた彼の目線。その先には何も居ないように、俺には見えた。
「そーいう訳やから。コイツに手ぇ出したら、自分締めるで」
「オスマンさん、一体誰を脅してるんです？」
「さあ？…まあ、あの子の本命はAやろうし、あとはロボロに任せてええやろ」
そして、もう一度彼がくるりと向き直り、俺の目の前に右手をかざした。
「さ、エミさん。好奇心は猫をも殺すなんて言うけど。エミさんはそれで死んでも本望なんやろ？」
なにやら物騒なことを彼が口にする。一瞬彼の表情が指の隙間から見えた。底知れないようにも、無邪気なようにも見える笑みをオスマンは浮かべていた。
「後戻りは効かへんで」
その言葉と共に、視界が深緑の光で覆われた。思わず眩しさに目をつむる。数秒後、目を開くと、
「…オスマンさん？」
そこに彼の姿は無かった。
そして。
「………。なんや、初対面や無かったんか」
何故、今まで思い出せなかったのか。いや、今のやり取りから察するに、オスマンが何かしていたのか。一体何のために？そして、わざわざ思い出させたのは何故だ。いくつもの疑問が脳裏をよぎった。
「ひとつ前進…いや、どうなんやろうな。踏み込んでしまった、のかもしれへんな」
エーミールは、十数年前の記憶…つまり、オスマン達との過去の記憶を、取り戻したのであった。
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にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めちゃくちゃ面白いですッ…!!!もう…好き(語彙力皆無)htrnのモンペ具合が好き過ぎるんだよなぁ…(( 更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2023年2月28日 0時) (
レス) @page45 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ビビ - 私にどストライクの作品です！！更新頑張ってください！！ (2021年11月1日 0時) (レス) id: 23a9beafd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - ソウさん» ソウさん、コメントありがとうございます！ゆっくりとですがじわじわ更新しております！今後ものんびり待っていただけると幸甚です！ (2021年3月24日 0時) (レス) id: 1d5de77dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ソウ - 初めまして！前からこの作品を読ませてもらっていたのですが、やっぱり面白いですね！今後の更新も楽しみにしています！ (2021年2月26日 7時) (レス) id: 41f6688bcf (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - 田中さん» 田中さん、ご指摘ありがとうございます！会話文中にw等を使っていたのは、｢動画内の彼らのテロップに寄せた方が、脳内再生余裕かな？｣と判断していたためです。自身でも悩んでいた部分でしたので、大変参考になりました！次回からちょっと試してみますね！ (2020年9月2日 19時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年8月28日 23時
