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チーノでもショッピでも、ましてや自分自身の声でもない、第三者の声。
振り返る必要もなく、誰の声だか判断できた。無意識のうちに口元が歪む…やってしまった。隣をちらりとみれば、同じように冷や汗をかくチーノが見えた。そのまま視線を、ゆっくりと後ろに向けた。
「よろしければ、私も混ぜていただいても？」
にっこり。エーミールが笑顔で立っていた。チーノがすかさず取り繕う。
「エミさん、ちょうどええところに！これ、さっき拾ったんですよ。教授の部屋の鍵ですよね、お渡ししときますね！」
百点満点の笑顔とセリフであった。…教授が先の会話を聞いていなければ。
「おや、私の部屋に肝試しにこなくてもよろしいので？」
随分前から会話を聞かれていたようだ。流石に分が悪い。幸いにも、彼は怒っている訳ではなくこの状況を楽しんでいるようだ。Aは素直に謝ることにした。
「教授、勝手に入ろうとしてすみません。未遂ってことで今回は許してもらえませんか」
「ふふ、潔いですね。別に研究室に入ることは、僕に確認をとってくれさえすればいつでも歓迎ですから。特に咎めることはありませんよ」
笑顔で対応するエーミール。Aとチーノがほっと一息つく。そこにエミさんが続けて笑顔で言った。
「だからと言って、自習時間中の私語を許す訳ではないのですけど」
「「あっ()」」
チーノとAの声がハモった。
「見た所、時間を持て余している様子ですし、…そうですね、次の講義までに、こちらのテーマについてもまとめて来ていただきましょうか？」
ニコニコと笑顔のまま、新しいプリントをチーノとAの前に置くエーミール。しかしその笑顔には有無を言わせない圧があった。これは弁明は無理そうだ、と抵抗は諦める。Aとチーノが目を合わせて、小さく頷いた。
このペナルティは回避不可だ。となれば、すべきことは一つである。
「「エミさん、ショッピも一緒に話してました」」
「待って？」
その後、ショッピの必死の抵抗も徒労に終わった。三人は仲良く、追加の課題に取り組んだのであった。
閑話休題 完
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にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めちゃくちゃ面白いですッ…!!!もう…好き(語彙力皆無)htrnのモンペ具合が好き過ぎるんだよなぁ…(( 更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (2023年2月28日 0時) (
レス) @page45 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ビビ - 私にどストライクの作品です！！更新頑張ってください！！ (2021年11月1日 0時) (レス) id: 23a9beafd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - ソウさん» ソウさん、コメントありがとうございます！ゆっくりとですがじわじわ更新しております！今後ものんびり待っていただけると幸甚です！ (2021年3月24日 0時) (レス) id: 1d5de77dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ソウ - 初めまして！前からこの作品を読ませてもらっていたのですが、やっぱり面白いですね！今後の更新も楽しみにしています！ (2021年2月26日 7時) (レス) id: 41f6688bcf (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - 田中さん» 田中さん、ご指摘ありがとうございます！会話文中にw等を使っていたのは、｢動画内の彼らのテロップに寄せた方が、脳内再生余裕かな？｣と判断していたためです。自身でも悩んでいた部分でしたので、大変参考になりました！次回からちょっと試してみますね！ (2020年9月2日 19時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年8月28日 23時
