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｢はーい、お見舞いに来たで〜｣
片手に菓子を携えて、グルッペンの元をおとずれる。彼は順調に回復していた。
｢医師に驚かれたぞ、よくこの状態で死ななかったな、と｣
｢そりゃあ、普通は死ぬからな｣
持ってきた菓子をつまみながら喋る。彼が｢俺の見舞いの品じゃないのか｣と無言の圧をかけてきたので、しゃーなしで饅頭を一つ渡してやった。
｢ところで、なんでグルッペンは大怪我してたん？｣
かねてよりの疑問を口にした。彼が口の中のものを咀嚼し、飲み込んでニヤリと笑った。
｢お前らの仲間にやられたんだ｣
やっぱりか、と俺はどこか納得した。わざわざオスマンと名乗った俺に｢妖怪｣と呼びかけたのも、ある意味当てつけだったのかもしれない。それに加えて、先日瀕死の彼から、俺は人外の匂いを嗅ぎ取っていた。(一応補足しとくと、俺の本質は狐やからね。鼻は効くで)
｢まあ妖怪にやられたと言っても、厳密には人に使役された妖怪にやられたんだが｣
｢…グルッペン、何か恨みでも買ったん？｣
人が復讐のために妖怪を使役したり、呪いに頼るのは割とよくある話である。
｢馬鹿言え、俺は恨まれるような事はしてないぞ！…ただ、違法取引を告発してやっただけだ｣
｢はーん。いわゆる、逆恨みってやつやなw｣
恨まれてるやんけ、と俺が笑う。
｢ああ、だが俺は生きている。…つまり、復讐が出来るわけだ。これは、完膚なきまでに叩きのめしてやらないといけない。オスマンもそう思わないか？｣
そう言って彼が歯をむき出して笑い、こちらを向いた。
｢オスマン、頼みたいことがあるんだが｣
｢何？｣
｢俺に力を貸してくれないか｣
｢具体的には｣
｢妖怪と渡り合う力を、俺にくれ。俺を害した奴らを徹底的に潰すことが出来る力を｣
グルッペンの目がギラギラと光る。…ああ、ええなぁ。俺ら妖怪にはない、激情、とでも言うのだろうか。
｢…ふふ、ええよ｣
その後、俺はグルッペンの式神となった。彼に妖力を貸し与える契約を結び、俺は彼に使役される一妖怪に成り下がった。
だが、不思議と気持ちは明るかった。
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鶏太郎(プロフ) - おしずさん» おしずさん、再びのコメントありがとうございます！いつもより練りながら書いたので、そう言って貰えて助かります…！はい、ゆっくりのんびり続きも書きますね！ (2020年7月18日 21時) (
レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - らりるれろんさん» らりるれろんさん、再度のコメントありがとうございます！今回時間軸がとびまくったので分かりにくいかな…と心配していたので、そう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります^^* (2020年7月18日 21時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
おしず(プロフ) - 続編及び、第6章お疲れ様です！今回もものすごく面白いです！！第7章も、鶏太郎さんのペースで更新頑張って下さい……！！！ (2020年7月18日 14時) (レス) id: f2c187ecfd (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - ひゃー！第6章も面白かったです！本当にこのお話面白い…！更新頑張って下さい！ (2020年7月18日 10時) (レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年7月17日 20時
