第七章『そろばん持って出直してどうぞ』 ページ19
✳ひとらんらん視点
｢トントンとグルッペンは下がってなよ｣
そう言って俺は腰の日本刀をすらりと抜いた。中段に構えて、切っ先はゾムと名乗った侵入者に向ける。目の前の男は、特に身構えるでもなくポケットに手を突っ込みニヤニヤとこちらを伺っていた。
｢しかし、ひとらん｣
｢俺こういうの得意だから。任せてよ｣
グルッペンが渋った声を発したので、即座に被せて反論した。人間はすぐに怪我をする、グルッペンもトントンも強いのは重々承知ではあったが、ここは俺たちに任せて出来れば下がっていて貰いたかった。俺の心境を察してか、コネシマが呼応してくれる。
｢せやぞ、グルッペン。俺らに任せんかい！！｣
｢ちょ、待って？俺“ ら”？？｣
｢なんや大先生、お前もに決まってるやろ。まだ人間のつもりなんか？｣
｢あっハイ｣
大先生が引きつった笑顔で渋々一歩前に出たのだが、ゾムを睨み続けているひとらんらんは知る由もなかった。
｢えー？人間戦わへんの？話通しといてって、前頼んでたんやけどなぁ｣
｢話を聞いてたからって、了承するとは言ってないでしょ｣
確かにAから、来客があったと報告は受けていた。しかし報告では｢依頼内容は置いといて、物腰も優しく話は通じる相手だった｣とのことだったのだが。…後でAに問い詰めよう、とひとらんは内心決めた。
(…Aってさ、話が出来るってだけで相手をいくらか過信する悪癖あるよね？)
確かに目の前のゾムという男、話は出来そうだ。がしかし、｢話は出来るけど、するとは言ってないっすよーw｣という自分本位感が否めない。第一、話をするつもりなら、初手から攻撃を繰り出す訳が無い。
｢なあ、俺人間と戦いに来たんやって。そこ退いてくれへんか？｣
｢一応聞いたげるけど、何で人間と戦いたいの？｣
そう聞くと、ゾムは良くぞ聞いてくれた！と笑顔になった。
｢今な、友達探し中なんや！ほんで、せっかくなら強い方がええやん？やから、俺が殺しても死なへんやつを探すためにやな｣
｢そんなん妖怪で我慢せぇや｣
コネシマが思わず突っ込んだ。
｢ん？てことは、お前俺と友達になってくれるん？？｣
｢初対面で殴ってくるようなキチガイと誰が友達になるか。悪いけどほか当たってくれや｣
そういいながら、コネシマが拳をポキポキと鳴らした。
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鶏太郎(プロフ) - おしずさん» おしずさん、再びのコメントありがとうございます！いつもより練りながら書いたので、そう言って貰えて助かります…！はい、ゆっくりのんびり続きも書きますね！ (2020年7月18日 21時) (
レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
鶏太郎(プロフ) - らりるれろんさん» らりるれろんさん、再度のコメントありがとうございます！今回時間軸がとびまくったので分かりにくいかな…と心配していたので、そう言って貰えて嬉しいです！更新頑張ります^^* (2020年7月18日 21時) (レス) id: 10d9e4ee33 (このIDを非表示/違反報告)
おしず(プロフ) - 続編及び、第6章お疲れ様です！今回もものすごく面白いです！！第7章も、鶏太郎さんのペースで更新頑張って下さい……！！！ (2020年7月18日 14時) (レス) id: f2c187ecfd (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - ひゃー！第6章も面白かったです！本当にこのお話面白い…！更新頑張って下さい！ (2020年7月18日 10時) (レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏太郎 | 作成日時：2020年7月17日 20時
