花火

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「で、どう、今日は落とせた？」



ニヤニヤと笑いながら作ちゃんが聞いてくるのは、もう日課である。
その答えは決まって「NO」なのに聞いてくるなんてなかなかお兄さんを虐めてくる。
やっぱりこの２人も心の底では俺の事、馬鹿にしてるのかな？
教師に恋愛感情を抱くなんておかしい、どこかかけている、と。



「落とせるわけないよ、俺が、あの人を。」


「........なんかあった？」



だけれど、ついこいつらの前では弱いところを見せてしまう。
けど、いいよね？
恋愛初心者の俺は、誰かを頼らないとこの難題を解くことは出来ないのだから。
馬鹿みたいな話かもしれないけれど、初恋、なんだ。



「........先生、好きな人いるっぽい。」


「........ほう。それはどうして？」


「先生の、青春の話を聞いた。その時の目が切なそうで、今にも泣きだしそうで、心の底から「愛」してる目だった。........きっと青春時代のその人を今でも好きなんだろうなって。」



あー、あの顔、少しだけ歪んだ綺麗な顔、思い出しただけでも泣きそう。
儚い初恋は叶わないから良い、とバイト先の経験豊富な先輩は言っていた。
その言葉を信じてそう思いたかったけれど、胸に響く鈍い痛みは心を蝕んで行った。









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