絞殺 (ページ33)

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優斗のおかげで西園寺への想いに気がついてから暫く経った。

好きだと自覚しても特にこれと言って変わったことはなく、今日も2人で昼ご飯を食べていた。
好きと自覚したからかもしれないが、不思議と彼女のことを優しい目で見つめてしまっていた。

こんな事、以前の俺には考えられなかったと思う。

だけど西園寺相手だと、心も豊かになって、

あぁ、愛おしいな。

って思える。

『...なに？』

「え、あっ、ごめん。つい。」

いつの間にか見つめてしまっていて、目が合った西園寺が少し驚いていた。
咄嗟に、俺は隣に置いていたカフェラテをゴクリと飲んだ。
程よい甘さが喉を潤していく。

『カフェラテ好きなの？』

「うん。あ、でもアップルティーの方が好きかな。」

『そうなんだ。私もカフェラテ好きだったんだけど今はアップルティーが好き。』

「気が合うね。」

同じ飲み物が好き。

もっと西園寺の好きな物が知りたい。
もっと西園寺の好きな物を知って、俺もそれを好きになりたい。

もっと、西園寺を知りたい。
そう思った時、

「好き。」

そう口走ってしまっていた。

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