命短し恋せよ乙女【Yuta.K＆Ren.N】

◎37 ページ37

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【Ren side】





俺は一目見た時からAのことが好きだった。
所謂一目惚れ。
初めて会ったその瞬間、運命だと思った。

黒髪のワンレンロングに桜花眼。
スラッと伸びた白い脚。
大人びた容姿に反していざ喋ってみると彼女の純粋さが溢れている所に酷く惹かれた。


そんな自分の好きな子は親友のことを好きになった。


そんな素振り、俺が好きになった頃は見せてこなかったし寧ろ彼女と俺は両想いだと思っていた。

だけど。

いつの間にか彼女は優太を見ては頬を紅くし、目で追っては切なそうな表情を顔に浮かべていた。
好きな人のことは特に良く見ているから分かる。

彼女が優太を好きになったきっかけは分からないが何となく、俺の家で遊んだあの日からの気がする。
あの日、あの時、何があったのだろうと何度も考えた。
ただゲームをしていただけのどこに好きになるきっかけがあったのだろうか、
俺には彼女が優太を好きになるきっかけなんて検討もつかなかった。


もっと早くに告白すればよかったとも思った程、俺は猛烈に後悔を感じた。
本気で好きになれたのは彼女が初めてだったのだ。


だからあの時、


「俺のこと、利用してや。」


何としてでも自分のものにしたくて、そう口走ってしまった。





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