◎29 ページ29
．
廉くんの家に着き、インターホンを押す。
永瀬「空いてるから入って俺の部屋来て。」
言われた通り、玄関の扉を開けて中に入り、廉くんの部屋のドアの前に立つ。
すうっと深呼吸をして、そのドアを開けた。
『お邪魔します。』
入るとそこにはベッドに寝転がる廉くんがいた。
その廉くんの顔を見た時、少しだけ違和感を感じた。
いつもとは違う、なんとも形容しがたいけれど、言うならば人形のような、生気を失った表情をしていた。
『れん、くん？』
永瀬「...A。」
『どうかした？』
永瀬「俺もうあかんかもしれへん、」
『どういうこと？』
永瀬「...寂しいねん。」
『...どうして？』
永瀬「親はな、俺を置いて仕事ばっかりで家におらん。もうこんな寂しいのは嫌なんや。」
初めて見た廉くんの弱い所。
そう言えば1度もご両親とお会いしたことが無かった。
深いことを聞こうとはしなかった。
と言うより、出来なかった。
聞き出そうとしてしまえばこの関係はどっぷり深いものになる。
只の【利用】から始まったこの関係は、もっと、言葉には出来ないような鎖で繋がれてしまう。
そう、狡い私は考えた。
だから私は黙って廉くんを抱きしめた。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 348人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
悠 稀 。(プロフ) - りーさん» ありがとうございます！現在15日まで休みをもらっていまして更新はまだ先になると思いますがお待ちください！がんばりまーす！ (2018年8月13日 17時) (
レス) id: 44e2d305a4 (このIDを非表示/違反報告)
りー - すごく面白いです！岸くん好きなので、楽しみにしています。頑張って下さい。 (2018年8月13日 8時) (レス) id: 29a3851b18 (このIDを非表示/違反報告)
悠 稀 。(プロフ) - 莉子さん» ありがとうございます！ (2018年8月6日 15時) (レス) id: 44e2d305a4 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてます！すごく好きな作品です！頑張ってください！！ (2018年8月6日 15時) (レス) id: fe73cf0ded (このIDを非表示/違反報告)
悠 稀 。(プロフ) - 雪乃瀬 沙奈さん» ありがとうございますー！！ (2018年8月5日 23時) (レス) id: 44e2d305a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：悠 稀 。 | 作成日時：2018年7月30日 18時
